更新日:2025年05月28日 12:00
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ユニクロの最新Tシャツ「買っておくべきUT」と「絶対に買ってはいけないUT」

 メンズファッションバイヤー&ブロガーのMBです。洋服の買いつけの傍ら、「男のおしゃれ」についても執筆しています。連載第533回をよろしくお願いします。
メンズファッションバイヤーのMB

メンズファッションバイヤーのMB。「『おしゃれに見える』にはちゃんと理由があるんです」が持論(撮影/難波雄史)

現代のTシャツトレンドは「ナードな服をモードに着る」

 今のTシャツのトレンドは「ナード(オタクっぽい)」。  90年代のアニメ作品をプリントしたものや、80年代ハードロックバンドのツアーTなど。そのどれもが古着加工(もしくは本物のヴィンテージ)を施したものばかり。「何も気取ってないよ」「昔買った好きな作品のTシャツをずっと使ってるよ」といった気の抜けたものが愛されています。  ファッショントレンドは反動で動くもの、ワイドシルエットが流行れば、今度はだんだん細身が流行り、ストリートが流行れば、今度はだんだんクラシックなデザインが好まれるようになります。  ファッションの根幹には「他人と違うものを」という思想があり、そのため、トレンドはマスに好まれているものと逆方向に向かう……つまり「反動」で動く結果となるわけです。  ここ10年プリントTシャツの柄トレンドは「かっこいい」「クール」なデザインが好まれました。  ストリートトレンドの中で……たとえば、すぐ思いつくのがsupuremeなどのボックスロゴですが、こうした洗練されたシンプルカッコイイデザインが人気でした。この時代が長く続いたため、ここ数年では反動で「もっとナチュラルでカッコつけすぎないもの」が好まれるようになってきたのです。

今のトレンドは「ヴィンテージ」

UT ただし、もちろんおしゃれになるためにこうしたプリントTシャツを選ぶわけですから「カッコよく」なくては意味がありません。  現代のプリントTシャツトレンドは「カッコイイデザインのものを着る」のではなく、「ナードな気の抜けたものを、カッコよくコーディネートする」ことで成り立っています。『ナードな服をモードに着る』とでも言いましょうか。あえて少し気の抜けたものを選ぶことでナチュラルなおしゃれを作るのが今の流れです。  ただ、もちろん「いたずらにダサいTシャツ」を選べというのではありません。今のトレンドは「ヴィンテージ」。  過去のクラシックを再評価する流れが強く、たとえば60年代などによく見られたスヌーピーT、80年代によく見られたバンドT、90年代に見られたアニメTを「今のトレンドシルエットや素材」で表現することが求められるのです。ファッションって難しいですね……。

UTで買うべきTシャツはこれだ!

 では、ユニクロのお得意UTシリーズでそれはあるのか? たとえば、下記のようなデザインですね。 ・ピーナッツ UT/オーバーサイズフィット 1290円
ピーナッツ UT/オーバーサイズフィット

ピーナッツ UT/オーバーサイズフィット

ピーナッツ UT/オーバーサイズフィット 1290円
ピーナッツ UT/オーバーサイズフィット

ピーナッツ UT/オーバーサイズフィット

ディズニー イン ブルー UT 990円
ディズニー イン ブルー UT

ディズニー イン ブルー UT

キース・ヘリング X コカ・コーラ UT/リラックス 1290円
キース・ヘリング X コカ・コーラ UT/リラックス

キース・ヘリング X コカ・コーラ UT/リラックス

キース・ヘリング UT/リラックスフィット 1290円
キース・ヘリング UT/リラックスフィット

キース・ヘリング UT/リラックスフィット

アンディ・ウォーホル UT/リラックスフィット 1290円
アンディ・ウォーホル UT/リラックスフィット

アンディ・ウォーホル UT/リラックスフィット

ピーナッツ UT/オーバーサイズフィット 1290円
ピーナッツ UT/オーバーサイズフィット

ピーナッツ UT/オーバーサイズフィット

 ピーナッツ、ディズニーのヴィンテージ再頻出デザインに加えて、UTはトレンドを意識したビッグシルエットやクリーンな素材感をプラスして「今風なナード」を成立させています。  色合いも黒や白のパキッとした「カッコイイ」ものではなく、褪せたチャコールグレーやオフホワイトなどがメインカラー。ヴィンテージ・ナードを体現したようなラインナップになっています。  また、現代アートのキースヘリングやアンディウォーホルなども古着でよく見かけるモチーフ。こちらもヴィンテージテイストのデザインや刺繍をあしらいながら、上手に「ダサく」見せています。
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UTで買っちゃいけないTシャツ
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