「この寝室には滝沢カレンが来た」と自慢…「電化製品で埋め尽くされた空間」で待ち受ける、令和のコンプラ‟完全無視”の76歳男性を直撃
廃墟、不思議建造物、珍スポット、珍寺、戦争遺跡、赤線跡など全国に存在するリアルな《異空間》を紹介し続ける旅行マガジン『ワンダーJAPON』。当連載は、編集長である私、関口 勇がこれまで誌面で取り上げたなかでも「特にインパクトが強かったスポット」をピックアップし、順次紹介している。
『ワンダーJAPON』の前身である『ワンダーJAPAN』の創刊が2005年12月。それ以来、数年の休刊期間を含め約20年、日本中の変わった場所を探し求めてきた。全国各地のいわゆる「珍スポット」の生みの親、多くのオーナーの方々も当然お会いしてきたが、やっぱり変……というか個性的な方が多い。
「ケネディー電気」もビジュアル的にとても衝撃を受けたスポットだが、それ以上に驚異的だったのが河原田謙社長ご自身。アクが強すぎて、紹介してもいいんだろうかと戸惑いながらも『ワンダーJAPON(9)』に掲載している。今回もそれは変わらない。
茨城県河内町は利根川の北岸に広がる人口7000人余りの町。町の中央部を縦断する国道408号線沿いに、この「ケネディー電気」はある。1km南には千葉との県境となる利根川が流れ、周囲は見渡す限り田んぼ。そんなのどかな風景が続く道に突然カオスな空間が出現する。
一見、工事建設現場の事務所と資材置き場。そこにはドラム缶や鉄パイプで組まれた櫓が無造作に置かれ、設置されたロケットやミサイルが周辺を威嚇するように配備されている。周りにはパラボラアンテナや換気扇のファンをいくつも付けたポールが立っていたり、草むらには赤色灯やマネキンも。
よく見れば、数棟ある建物の屋根の上にもプロペラやミサイルがある。産業廃棄物置き場にしては奇抜すぎ……。ひょっとして現代アートの展示場? そんな道行くドライバーたちのつぶやきが聞こえてきそうだ。
私は2024年春に訪問。当時、76歳という社長は、これまでに34回(細かい)テレビ取材を受け、番組の台本も自分で作っていると豪語する。ひとり編集部なので基本的に撮影も自分で行うのだが、やたら指示が多かった。「はしごを登って屋根の上から撮るといい」「道路側から撮ったか?」などなど。「この寝室には滝沢カレンが来た」など自慢もぶち込む。
自分が被写体になると、わざわざ白衣を着て聴診器を装着し電化製品を修理している風にしたり、ギターをノリノリで構えたり、自分で勝手にポージング。よく言えば、サービス精神旺盛。
極めつけは、「発炎筒に火を着けるから、ロケットの発射シーンを撮れ」と。煙が多すぎて最後はロケットが見えなくなってしまった。住宅街ならアウトだが、周りが田んぼなのでギリギリセーフだろうか。

国道沿いにある「ケネディー電気」。周辺は利根川の干拓地で、のどかな田園地帯
のどかな風景が続く道に突然カオスな空間が出現
「この寝室には滝沢カレンが来た」と自慢

「屋根に登って全景を撮れ」という指示に素直に従ったが、物が多すぎてなんだかよくわからない感じ

わざわざ白衣と聴診器を装着して修理風を演出するお茶目な面もある

頼んでもいないのに白煙筒を炊いてロケット発射を演出してくれた。聞きそこねたが、ロケットやミサイルの設置はキューバ危機のイメージを再現しているのだろうか
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『ワンダーJAPON』編集長(フリーランス・発行元はスタンダーズ)。廃墟、B級スポット、巨大構造物、赤線跡などフツーじゃない場所ばかり紹介。武蔵野美術大学非常勤講師。X(旧Twitter):@isamu_WJ
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