「ドキュメント72時間」がきっかけで観光スポットに。伊豆にある“もっともイカれたミュージアム”の正体
静岡県伊東市の伊豆高原といえば、ヌイグルミみたいでかわいいと話題の休火山・大室山に、動物園、遊園地、博物館、美術館が乱立する伊豆でも屈指の観光スポット密集地帯。なかには一風変わった「芸術の森 ろう人形美術館」や「怪しい少年少女博物館」などの施設もあるが、もっともイカれた(褒め言葉)ミュージアムが、2011年7月にオープンした「まぼろし博覧会」だろう。「怪しい少年少女博物館」の姉妹館だ。
場所は、自動車用サーモスタット会社の創業者が、温度調節技術を活用して90年代に開設した熱帯植物園「伊豆グリーンパーク」の跡地。閉園して廃墟となっていた高低差のある土地には、いまでは数え切れないほどの展示品が雑然と置かれた、国内最大級の巨大ミュージアム系珍スポットとなっている。
私は、オープンした年の2011年10月にさっそく訪問。その後も、2016年2月、2023年1月、2025年11月と計4回訪れている。本当なら、まだ見ぬ異空間を求めてもっと別の場所へ足を運ぶべきなのだが、オープン後も展示スペースが拡張され、日々増殖・進化(深化)するため、「今はどんな感じだろう?」という好奇心に負け、つい立ち寄ってしまうのだ。以前紹介した群馬県の「アダルト保育園」も日々変化して目が離せないのと同じだ。
施設の最大の見どころは、三重県にあった元祖国際秘宝館伊勢館(2007年閉館)から「高級乗用車1台分」の金額でまるごと買い取った膨大な量のエログロ展示品を再利用していること。オープン当初に秘宝館由来で展示できたのは300点(マネキンは200体のうち120体を展示)。
その後展示エリアが拡張され、まだまだ倉庫に眠っていたものが追加展示されている。国立公園内という土地柄、18禁の秘宝館を再現するわけにもいかず、マネキンの多くは着衣姿。昭和〜平成のベストセラーや流行りものを年ごとに展示した「昭和の時代を通り抜け」ゾーンには、こうした元秘宝館出身の艶めかしいマネキンが古い衣装で出迎えてくれる。
かつての秘宝館には、性行為を見世物として展示するだけでは世間的に具合が悪かったため、大義名分的に生命に関する医学的知識の普及を目的とした「衛生博覧会」という展示があった。生殖のメカニズムや胎児の成長などを人体模型で示したものだが、こうした不気味なものは「まぼろし神社~祭礼のゆうべ」ゾーンにまとまっている。
このゾーンは秘宝館にあった淫猥な展示の転用がとりわけ多く、大量のマネキンはかなり露出多めで裸に近いものも多い。それが「藪病院」「梅淋楼(遊廓)」「怨霊寺(お化け屋敷)」というセットでは主役となっている。非常に見応えがあるのだが、お寺部分はかなり暗い。雰囲気が壊れない程度にスマホのライトでも使ってしっかり見学したい部分かもしれない。

閉園した「伊豆グリーンパーク」の跡地にできた「まぼろし博覧会」
「つい立ち寄ってしまう」魔力が

広島にあったストリップ劇場のネオン看板

ストリップ劇場記念館の内部。ミニステージもある
閉館した秘宝館から「高級乗用車1台分」の金額で…

元祖国際秘宝館のマスコット人形を使った「おじさんの森」

起き上がり人形ばかり集めた「赤ちゃん人形博物館」
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『ワンダーJAPON』編集長(フリーランス・発行元はスタンダーズ)。廃墟、B級スポット、巨大構造物、赤線跡などフツーじゃない場所ばかり紹介。武蔵野美術大学非常勤講師。X(旧Twitter):@isamu_WJ
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【まぼろし博覧会】
静岡県伊東市富戸1310-1
冬期間 令和7年3月19日 AM9:30~PM17:00
夏期間 令和7年3月20日~9月23日まで AM9:30~PM17:30
大人1400円(2024年1月料金改定):小中学生600円
伊東駅からはバス又はタクシー
【近刊情報】
『ふだん着で行ける秘境 ニッポンの異空間』(大和書房) 2026年2月発売予定
ワンダーJAPON12号は2026年3月ごろ発売予定
静岡県伊東市富戸1310-1
冬期間 令和7年3月19日 AM9:30~PM17:00
夏期間 令和7年3月20日~9月23日まで AM9:30~PM17:30
大人1400円(2024年1月料金改定):小中学生600円
伊東駅からはバス又はタクシー
【近刊情報】
『ふだん着で行ける秘境 ニッポンの異空間』(大和書房) 2026年2月発売予定
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