更新日:2025年08月06日 14:45
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「日本人ファースト」を掲げる参政党が躍進!その背景にあるトホホな存在と理由/倉山満

2025年夏の参院選も佳境を迎え、自公の過半数割れ予測も飛び交う。そうしたなか、急激に勢いを増しているのが第三の勢力。特に、台風の目になっているのが参政党だ。選挙初日に街頭演説で「高齢の女性は子どもが産めない」発言で炎上するも意に介さず、「日本人ファースト」を訴えて外国人問題を参院選の争点にするなど話題を集め、その勢いは止まらない。なぜ参政党が躍進しているのか。憲政史研究家の倉山満氏が解説する。(以下、倉山満氏による寄稿)。
参政党 神谷宗幣代表 日本人ファースト

参院選の公示日前日に実施された党首討論会で「日本人ファースト」を掲げる参政党の神谷宗幣代表。東京都議選同様、受け皿として躍進するのか……運命の日は近い 写真/産経新聞社

とある国家社会主義政党の特徴を九つ

 ある国家社会主義政党の特徴を九つ並べる。  一、社会主義とは、資本主義と共産主義の中間のことで、明確な定義をしない。  二、やたらと愛国心を絶叫する。  三、排外主義を煽る。そのすべてが嘘ではないが、一部陰謀論。  四、二と三によって、極右や保守に見えるが、実は保守どころか極右とも親和性が無い。  五、経済政策はバラまき。国民の熱狂的な支持が得られるなら、なんでもいい。ポピュリズムに見える。  六、健康と環境にやさしい政策。そこに、スピリチュアルが入る。  七、政権が熱狂的な支持を得られたら、自由を制限し始める。  八、権力を握れば、政府による規制と統制経済に移行する。  九、実は偽装保守の左翼が右翼の皮をかぶっていただけ。  このごろ流行りの、参政党と間違えられたか? 実はナチス(国家社会主義ドイツ労働者党)の特徴である。

参政党の実態は、トホホな存在

 当時「ゲルマン人ファースト!」という言葉は無かったが、同じようなことを絶叫していた。参政党、支持率を劇的に伸ばして話題だが、SNSではさっそく「ナチスみたいなものか」と懸念も。ただし、参政党はナチスとは違う。実態は、言ってしまえば、トホホな存在。  おそらく、参政党のブレーンはナチスを参考にしているのではないかと思えるほど、マーケティングの手法が似ている。  不況と軟弱外交に不満な人々に、排外主義的言説を訴え、バラまきを公約する。ナチスは、世界大恐慌期にユダヤ人排斥で支持を得た。参政党も同じ。  ただ本音は、経済を市場(民間・私人)に任せず、政府が指導しようとするのが特徴である。ナチスは権力を握ると統制経済に移行した。参政党の経済政策はMMT(現代貨幣理論)だそうだが、その中核はJGP(就業保証計画)である。不況になると政府が全国民に対し、その人にふさわしい職業を保証してくれるそうだ。可能なのか? そもそも余計なお世話だ。  ナチス台頭期のドイツ政界は、今の日本の比でなく、腐敗と無能を極めていた。なお、ドイツの政財界はヒトラーを取り込もうとしたが失敗、逆に支配された。

「いいこと“も”言っている」人がいい人とは限らない


皇室史家。憲政史研究家。1973年、香川県生まれ。救国シンクタンク理事長兼所長。中央大学文学部史学科を卒業後、同大学院博士前期課程修了。在学中から’15年まで、国士舘大学日本政教研究所非常勤職員を務める。現在は、「倉山塾」塾長、ネット放送局「チャンネルくらら」などを主宰。著書に『13歳からの「くにまもり」』など多数。ベストセラー「嘘だらけシリーズ」の最新作『噓だらけの日本近世史』が2月28日より発売

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通説を覆す「嘘だらけ」シリーズ日本史編、待望の第三弾。