更新日:2025年08月06日 16:21
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アディダス「スタンスミスLUX」が白眉である理由。「長持ちする靴」の3条件と“加水分解しない”素材の選び方

こんにちは、シューフィッター佐藤靖青(旧・こまつ)です。靴の設計、リペア、フィッティングの経験と知識を生かし、革靴からスニーカーまで、知られざる靴のイロハをみなさまにお伝えしていこうと思います。 靴が足にフィットする条件として、カカト周りが小さいことは欠かせません。なぜなら、日本人のカカトは小さいからです。カカトの小さい靴をつくっているメーカーを具体的に挙げるなら、アシックス、オニツカ、ミズノ、パトリック、HOKA、ブルックスあたりが優秀です。 ではほかのメーカーは? といえば、5000円程度のスニーカーであれば、カカト周りはガバガバなことが多いです。それはなぜか。靴を立体にするときに、一番手間とコストがかかるのは、カカト周りからふまず部分にかけた部位を絞ることです。左右対称ではないので、マシーンと手作業で微調整を繰り返すか、マシーン自体に高いコストをかけなければ足にフィットする靴はつくれません。
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典型的な格安品。カカトの絞りもカーブもゼロ。すぐに靴ずれします

格安製品は一見、まともな靴の形をしていますが、カカトがガバガバなので、決して足にフィットすることはなく、店で試したときはよくても、歩いて数時間すると激痛やしびれが襲ってきます。メーカーもショップも、Dや3Eなど、つまさきの幅は気にしますが、消費者がわかりにくい後ろ半分はおざなりなことがほとんどなのです。 カカトが小さく、フィットする靴は、カカト周り~ふまずでガシッとつかんでくれるので、つま先がガンガン当たることもなく、左右の多少のサイズ差も解消されます。

設計が古い名作の復刻も地雷あり

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筆者私物

ワークマンやGUなどのアンダー5000円、アンダー3000円の靴でも、モデルによってカカト周りに明らかに差があるので要注意。格安品での数少ない例外として、ワークマンのアーバンハイクスリッポン(2500円)などはカカト周り~アキレス腱までタイトに包み込むので、脱げ感はほとんどありません。 ややこしいことに、数万円を超える有名メーカーのコラボ品や、とくに「名作復刻!」などの謳い文句も地雷ワードです。設計が数十年前のままなので、外見に全力を振り切っていることが多いので、「高いのに靴ずれがひどい」とがっかりすることも多々あります。回避方法は簡単で、店で歩いた時にカカトが脱げないかどうかに全集中すること。脱げそうなら即アウトです。
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見えないリスク「加水分解」。ポリウレタンと合皮だけは要注意
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イギリスのノーサンプトンで靴を学び、20代で靴の設計、30代からリペアの世界へ。現在「全国どこでもシューフィッター」として活動中。YouTube『足と靴のスペシャリスト』。靴のブログを毎日書いてます『シューフィッター佐藤靖青(旧・こまつ)@毎日靴ブログ』。著書『予約の取れないシューフィッターが教える正しい靴の選びかた

予約の取れないシューフィッターが教える正しい靴の選びかた 予約の取れないシューフィッターが教える正しい靴の選びかた』(扶桑社)

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