「月23万円の生活費を止めた」夫の離婚請求が棄却された理由 。元裁判官が明かす、家庭裁判所の“裁量の実態”
―[その判決に異議あり!]―
夫婦関係の破綻を認めながらも、夫が妻への生活費送金を停止したことを「兵糧攻め」と表現し、夫からの離婚請求を棄却した令和4年4月の家裁判決が話題となった。家事事件では裁判官の個人的価値観が判決を大きく左右する典型と言えよう。
“白ブリーフ判事”こと元裁判官の岡口基一氏は、この「離婚訴訟で請求棄却」について独自の見解を述べる(以下、岡口氏の寄稿)。

裁判官個人の価値観次第で離婚裁判は大きく左右される
月23万円の生活費を送金
おかぐち・きいち◎元裁判官 1966年生まれ、東大法学部卒。1991年に司法試験合格。大阪・東京・仙台高裁などで判事を務める。旧Twitterを通じて実名で情報発信を続けていたが、「これからも、エ ロ エ ロ ツイートがんばるね」といった発言や上半身裸に白ブリーフ一丁の自身の画像を投稿し物議を醸す。その後、あるツイートを巡って弾劾裁判にかけられ、制度開始以来8人目の罷免となった。著書『要件事実マニュアル』は法曹界のロングセラー



