更新日:2025年10月31日 15:47
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三笠宮家・彬子さまの当主決定も「女性宮家と一律反対が適切ではない」理由/倉山満

不在となっていた三笠宮家の当主に彬子さまが決定し、「女性宮家ではないのか」「女系天皇につながる恐れがあるのではないか」とする声も聞こえてくる。しかし、「皇室の伝統を正しく理解すれば、『女性宮家』だからと一律に反対するのは適切ではない」と話すのは皇室史学者の倉山満氏だ。皇室を守るためには、杓子定規に先例を当てはめることではなく、大枠を守りながらも時代に応じた知恵が必要なのである(以下、倉山満氏による寄稿)。
三笠宮 彬子さま

’24年11月15日に三笠宮妃百合子さまが薨去され不在となっていた当主を継ぐこととなった孫の彬子さま。歴史に知恵を求め、現実に理念を合わせ皇室はここまで続いてきた 写真/産経新聞社

先例とは杓子定規に再現し続けるものではない

 皇室を語る際に最も大事な基準は、何か。先例である。先例の積み重ねで、伝統になる。我が皇室の伝統は、世界最長不倒の2685年を誇る。先例がどうでも良いなら、共和制にでもしたらよかろう。そんなに合理性が大事なら、世襲のような不合理など続ける必要はない。  ただし先例とは、何も考えずに、杓子定規に再現し続けるものではない。そんなことは、人間界において不可能だ。だから何が吉例かを、常に考えねばならない。そして時代に合わせて准じて変えて、大枠を守る知恵を出し続けてきたから、皇室は続いてきたのだ。考えなしに先例墨守したのではないと同時に、伝統の大枠を壊さなかったから、今日まで続いてきたのだ。

近代法を考えなしに、皇室に当てはめる愚


憲政史研究家 1973年、香川県生まれ。救国シンクタンク理事長兼所長。中央大学文学部史学科を卒業後、同大学院博士前期課程修了。在学中から’15年まで、国士舘大学日本政教研究所非常勤職員を務める。現在は、「倉山塾」塾長、ネット放送局「チャンネルくらら」などを主宰。著書に『13歳からの「くにまもり」』など多数。ベストセラー「嘘だらけシリーズ」の最新作『噓だらけの日本中世史』(扶桑社新書)が発売後即重版に

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