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「監督から『そういうのやらなくていいです』と…」15年ぶりに復帰した“伝説のセクシー女優”が驚いた業界の変化

1995年にデビューし、2004年に引退。その後、2006年に復活を遂げるも2010年には再び沈黙。そして2025年4月に15年ぶりに業界復帰を果たした、セクシー女優の愛田るかさん。デビューから30年の時を経て、現在53歳となった彼女は今、何を思うのか。
愛田るか

愛田るかさん(53歳)

「恋愛願望も結婚願望も今はありません。完全に美容オタクになっています」 デビューのきっかけや過去の恋愛、肌で感じた業界の変化、さらには驚くほどハマっているという美容とアンチエイジングについても語ってもらった。

デビューを決めたのは、引っ越し費用を稼ぐため

愛田るか——デビューは1995年。なぜセクシー女優になろうと思ったのでしょうか。 「引っ越しの費用を稼ぎたかったからです。どうしても恵比寿に引っ越したくて……。でも敷金、礼金、前家賃や手数料、新しい家具の購入も含めると、トータルで200万円くらい必要だったんです」 ——そんなにイイところに住もうとしていたのですか? 「実は当時、何回か遊んだことのあるバンドマンから『所属事務所の近くに部屋を借りて』って言われていたんです。その事務所があったのが恵比寿。私はその頃、恵比寿まで1時間はかかる場所に住んでいたので、なにかと不便だったんでしょうね」 ——そのバンドマンは、彼氏というわけではなかった? 「付き合ってはいなかったですね。それどころか、会ったのもまだ4回くらいだったかな。でも、その時は私も六本木の飲み屋で働いていたので、立地的にちょうどいいと思ったので引っ越しを決意しました。でも、飲み屋の給料ではとてもじゃないけど払えなくて……」 ——セクシー女優になって200万円を稼ごうと思ったのですね。 「たまたまお店のお客様にメーカーの社長さんがいたので『セクシー女優って稼げるの?』と聞いてみたら、『いくら欲しいの?200万?そんなのあっという間だよ!』って言われたんです。本当にすぐ稼げました(笑)」 ——デビューした途端、瞬く間に人気女優になりましたよね。 「そうなんです!いざデビューしたら、想像以上に売れて有名になってしまったんですよ。でも、そしたら例のバンドマンの事務所に気づかれて『もう会わないで欲しい』って通達がきちゃったんです。向こうも売り出し中だったし、しょうがないことなんですよね」 ——大金をかけて引っ越しまでしたのに、そんな結末とは。未練はなかったのでしょうか。 「会えなくなった後、バンドマンのサイン会にこっそりと行きました。でも、向こうに気づかれてアチャーって顔をされたのを見て、本当に私に会ったらヤバいんだな、と。でも、まったく引きずらなかったですね。『ま、いいか』くらいの感じでした」 ——彼のこと、そんなに好きではなかった? 「というより、セクシー女優の仕事がやってみたらすごく楽しかったんですよ。昔からアイドルへの憧れがあったのですが、『セクシー女優って大人のアイドルみたいでいいじゃない』って(笑)。楽しいことをしてお金までもらえて、“愛田るか”は天職だとすら思いました。あのバンドマンにはむしろ、『きっかけをくれてありがとう』と言いたかったくらいです」 ——そこまで思い入れのあった仕事にもかかわらず、2004年に引退していますね。 「私としては引退とは明言していないんですよ。本当に撮れるところまで撮るつもりでいました。でも続けているうちに、どんどん新鮮みが薄れていって、仕事が面白くなくなってきちゃったんです。最後の方はやったことのないオファーだけ受ける方式をとっていましたね。 実はその時に、どうしてもニューハーフさんとの作品を撮りたくて、メーカーさんにリクエストをしていたんです。でも出てくれる方が見つからなかったので、ズルズルとそのまま自然消滅という形になりました」

“愛田るか”を知らない人が増えていくことが寂しかった

愛田るか——表舞台から姿を消している間は何をしていたのでしょうか? 「六本木でバーをやっていたのですが、それは2年で畳んでしまいました。スロットで食べていたこともありますね。その時の彼氏がスロットのプロだったので、師と仰いで教えてもらっていたら勝てるようになりました(笑)」 ——その後2006年に一度復活し、2010年頃に再び表舞台から去っています。そして、今年なんと15年ぶりに“愛田るか”が業界に復帰。どのような経緯があったのでしょうか。 「知人の女性に『セクシー女優になりたい』と相談をされたんです。そこで以前に撮ってもらっていたメーカーの社長さんにお願いして、事務所を紹介してもらいました。その関係で業界の方たちと色々とやりとりをしている中、とあるインタビュアーさんから『愛田さんはやらないの?』と聞かれまして。自分がまだセクシー女優として通用するのかを試してみたくなったんです。 同時に、どんどん“愛田るか”を知らない人が増えていくことに寂しさを感じていたんですよね。もう一度、戻れるならば戻りたいという思いが根底にはありました」 ——業界のルールなどが、15年前とは大きく変わったと思います。久しぶりに戻ってきて、体感としてはいかがでしたか? 「まず、絡みのシーンに台本があることにビックリしました。することが予め決まっていて、プレイ内容もガチガチに固められている印象です。ある撮影でアドリブ的にカメラ目線の挑発をしたら、監督から『そういうのやらなくていいです』と言われてしまいました(笑)」 ——厳しい(笑)。 「現場も無駄がない印象ですね。昔みたいなその場の思い付きで『面白いからコレやろう』ってこともないんですよ。本音でいえば、私はそんな雰囲気の中で自由にやらせてもらう方が好きなんですけど……それはもう、時代の流れですよね。 でも、最近はドラマものの作品が多くて演技をする楽しさに目覚めたところなんです。もっと演技が上手くなりたいって撮影するたびに思いますよ。昔は本能の赴くまま撮影に挑んでいましたけど、今は前フリやバックグラウンド、シチュエーションも大事だと考えています」
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人生は「災い転じて福となる」
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