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「疲れてるから無理」満員電車で“優先席を譲ってほしい”と頼んだ妊婦が絶句した、若い男性のひと言

 移動に欠かせない交通手段のひとつである電車。しかし、通勤や通学の時間帯は混雑するため、殺伐とした雰囲気がある。車内では譲り合いの精神を持って、お互い気持ちよく過ごしたいものだ。
電車の優先席

※写真はイメージです。以下同

 今回は、電車内でマナー違反の客に声をかけた結果、一体どうなったのか。2人のエピソードを紹介する。

隣の席で始まった“化粧タイム”

 斉藤茉奈さん(仮名・40代)は、いつものように通勤電車に乗っていた。座席はすべて埋まっていたが混雑はしておらず、比較的落ち着いた雰囲気だったという。  その日の服装は“黒いワンピース”だった。隣には若い女性が座っていたそうだ。 「ふと視線を向けると、その女性がバックから化粧ポーチをとり出してメイクをし始めたんです」  電車内での化粧を目にすることは多々あるため、とくに気にするほどではなかった。「自由にすればいい」と思っていた斉藤さんだったが、次第に様子が変わっていく。

舞い上がる“粉”と小さなひと言

 女性がフェイスパウダーを叩き始めると、細かな“粉”がふわりと舞い、斉藤さんの黒いワンピースにうっすらと白く積もったという。 「最初は気のせいかと思ったんですが、膝元に粉がはっきりと見えるほどになっていました」  注意すべきか迷ったものの、電車内で口論になるのは避けたかったため、斉藤さんは黙って座っていた。すると、少し離れた場所に立っていた女性が、はっきりとした声で注意したのだ。 「電車での化粧はいいですけど、他の方に迷惑をかけるのはマナー違反ですよ。隣の方の服が汚れているじゃないですか!」  その一言で、車内の空気が一瞬静まり返る。  隣の女性は驚いたように手を止め、斉藤さんの服を見て動揺した様子だった。  そして、小さな声で「すみませんでした」と謝り、バックから財布をとり出して「クリーニング代です」と“お札”を差し出してきたそうだ。  斉藤さんは軽く会釈をして受け取り、女性は次の駅で何も言わずに降りていった。自分では何も言えなかったが、代わりに声を上げてくれた人の存在が救いだったと振り返る。 「あの日のことは今でも印象に残っています。小さな勇気が、誰かの気持ちを救うこともあるんだと感じました」
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勇気を出して声をかけた結果…
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2016年よりライター活動を開始。出版社にて書籍コーディネーターなども経験。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。

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