更新日:2026年05月12日 18:12
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サウナ入って飯食って寝る…閉店直前の『カプセルイン蒲田』で怠惰な時間(後編)/カツセマサヒコ

ただ東京で生まれたというだけで何かを期待されるか、どこかを軽蔑されてきた気がする――。そんな小説家カツセマサヒコが“アウェイな東京”に馴染むべくさまざまな店を訪ねては狼狽える冒険エッセイ。前回のサウナロウリュ初体験後に、カプセルホテルに泊まることになった著者の願いは今日も「すこしドラマになってくれ」

カプセルホテル★レポート【蒲田駅・カプセルイン蒲田(後編)】vol.24

 前回「ガーデンサウナ蒲田」にて人生初めての辱めならぬロウリュデビューを果たした私は、その後、交互浴3セットもバッチリ決めて、しおしおに干からびていた。  こんなに疲れることを率先してやりたいだなんて、サウナ好きの皆さんは一体どんな体力してるんですか!? あとは眠るだけという状況でなければ絶対に無理。無理だわ。でも今日だけはできる。なぜなら私はこのまま、施設内のカプセルに泊まるから!  ということで、まずは腹ごしらえに食堂でグラスビールと生姜焼き定食をいただくことにする。がらんとした食堂。パンクバンドかプロレスラーをイメージさせる長髪の男性店員が、生姜焼き定食を運んできてくださる。サウナで死にかけた体に活力が生まれる。そこにすかさずビールを流し込む。電流のように体が痺れる。サウナ後の肉とビールは本当に美味しい。みんなこのためにサウナに通っているのだとしたら深く納得できる。  食事をゆっくりと堪能したあとは(実際は爆速で完食)、マッサージチェアに座ってみたり、5000冊の蔵書量を誇る漫画コーナーで読みかけだった漫画の続きを読んだり、持ってきた文庫本を消化したり、仕事のメールを何本か無視したりして過ごした。  あっという間に日付が変わりそうになり、改めてカプセルに向かう。さーて、寝心地はどんなもんでしょうかね~!と、なぜかテンションが上がっている。 「カプセルイン蒲田のカプセルは側面から入るタイプなので、他のカプセルホテルよりも窮屈に感じにくいんですよ」

1986年、東京都生まれ。小説家。『明け方の若者たち』(幻冬舎)でデビュー。そのほか著書に『夜行秘密』(双葉社)、『ブルーマリッジ』(新潮社)、『わたしたちは、海』(光文社)などがある。好きなチェーン店は「味の民芸」「てんや」「珈琲館」