「12歳少女人身売買」は氷山の一角…タイ人女性が働く“違法売春マンション”が日本で増加しているワケ
12歳のタイ人少女が日本で性的サービスを強要されていた――。11月に報じられたニュースは多くの人に衝撃を与えたが、その背後には違法風俗ネットワークの存在があった。なぜ彼女らは日本にやってくるのか? 実態に迫る。
「イラッシャイマセ」
インターホンを押すと、片言の日本語が返ってきた。薄暗い部屋に通されると、布団が一枚敷かれ、その横には下着姿のふくよかなタイ人女性が佇んでいた――。
東京都文京区の個室マッサージ店でタイ国籍の12歳の少女が性的サービスを強要されていた事件が今年11月に報道され、日本に衝撃を与えた。筆者はジャーナリストとして東南アジアの売春を長年取材しているが、事件は氷山の一角にすぎないと捉えている。現在、日本ではタイ人女性が働く“違法売春マンション”が増えている。
冒頭の潜入取材は今年11月下旬、知人のT氏に渋谷の店に行ってもらったものだ。自称24歳で、今回日本に来たのは2回目。タイ人の観光目的の入国であれば、約2週間はビザが免除されるため、その間にこの部屋でひたすら体を売り続けるという。T氏はマッサージのみのサービスを受けながら、女性の生い立ちを尋ねた。
「どこから来たの? バンコク?」
「バンコクじゃない。もっと田舎」
「日本語できるの?」
「大学で少し勉強しました」
近年は彼女のような大卒の女性でも生きる手段として売春を選ぶことがある。バンコク各地にも歓楽街があるが、競争が激しく人目につくため、国外でひそかに売春したいという女性もいるのだ。
今回訪れた店の料金システムは、30分の本番行為で1万円、“避妊具なし”であれば1万2000円という価格だった。
T氏によれば摘発を恐れてか、店側も慎重な印象だったという。サイト閲覧にはパスワードの入力が求められ、サービスを受けるには、LINEなどのチャットアプリを使う必要がある。客が地名を指定すると、マンションの住所が送られてくる。到着後、建物の写真を撮って店側に送信し、そこで初めて、部屋番号が送られてくる仕組みだ。
「女のコの写真を一生懸命更新してますが、入れ替わりが早くて!」(原文ママ)
部屋に潜入する前、アプリには店側からひっきりなしに宣伝メッセージが届いていた。
「このサイトは、200人くらいの“社長”からもらった住所を集めて運営しています。社長によって仕組みも女性の性格も違います!」(原文ママ)
“社長”とは、どうやら全国各地でマンションの一室を使って営業する小規模オーナーのことらしい。たどり着いた売春サイトは、複数のオーナーからマンションの住所と女性の情報を集約し、ひとつの“総合カタログ”として案内する役割を担っているようだ。
無垢なタイ人女性がわずか1万円で本番行為を……
![違法[出稼ぎ売春マンション]潜入!](/wp-content/uploads/2025/12/20251209migrantwork1-550x802.jpg)
通称・中華マンション。部屋には下着姿のタイ人の女性が(T氏撮影)
潜入直前までも続々と届く宣伝メッセージ…
![違法[出稼ぎ売春マンション]潜入!](/wp-content/uploads/2025/12/20251209migrantwork2-550x751.jpg)
今回潜入取材した「違法出稼ぎ売春マンション」。渋谷の大通りに面した小綺麗な建物で、近隣には小学校も
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共同通信グループ系メディアで記者を務める。’21年に独立。フリージャーナリストとしてタイ、ミャンマー、カンボジア、ラオスの人道問題について執筆
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