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「修羅の国」と呼ばれた町で育った少年時代。猟犬に追われた体験が名作映画『スタンド・バイ・ミー』に?宇部市「K区」の都市伝説

宇部市内にて。海沿いのコンビナート地帯。「宇部といえばこの煙」なんだそう

 桜咲いたら1年生、友達100人出来るかな? ってなもんで、ドキドキワクワクの小学生編へ。  57が入学した宇部市内の小学校は、57の入学1年前にできたばっかという事もあり、何もかもがピカピカで、とにかく入学するのが楽しみでしょうがなかった。だったんだけど、入学式の翌日にトイレに備え付けられているゴミ箱にふざけておしっこをして、人生初のビンタをくらい、いきなり親が呼び出しをくらうという、何とも苦々しい幕開け……。調子にのり過ぎて怒られるのは今も変わんないけど……。  57が生まれ育った地区(ここから「K区」とします)は前回も書いた通り、めっちゃ柄が悪くて、色んな個性が入り雑じった良くも悪くも賑やかな地区だった。高校生になって他の地区からやってきた同級生に言われて知ったけど、K区は「修羅の国」って呼ばれてたらしい!  いや「修羅の国」て!北斗の拳じゃないんだからさ(笑)

「秘密基地」で遊んでいたら……

小学6年生の時の57さん(写真=本人提供)

 まぁそんな「修羅の国」で少年期を過ごした訳だけど、いまだに友達との間で都市伝説的に語り継がれている話があんのよ。  男の子って、基地を作ったりとか冒険みたいなことが好きじゃない?  うちらが住んでるK区の山の方に、産廃集積所みたいな所があった。子どもからすると車やバイクや色んな金属が山積みになってるその場所は、秘密基地みたいで、とにかくワクワクしたのよ。  人の敷地だから「入るな」とは言われてたけど、地元のクソガキ達にとってはかっこうの遊び場。  そんなある日、いつものようにそこに入って皆で遊んでたら……「何しよんじゃ、クソガキ共がー!」と怒号が聞こえてきた。振り返ると、そこにはでっかい耳が垂れた猟犬を連れたおっちゃんの姿が!  それまでそこで人を見たことなかったから、ビックリ!  こっちもこっちでクソ生意気なクソガキ軍団だから「うるせーここはワシらの基地じゃボケー」みたいな感じでワーワー言い返していた。そしたら、おっちゃんが急に犬のリードを外して大きな声で「GOーーーー」と叫ぶ!  宇部は工業地帯でもあるけど農家も多く、狩猟をやってる家も多かったので、猟犬を飼っている家も多かった。  飼い主の号令と共に、よく飼い慣らされた獰猛な猟犬は、一直線にクソガキ共の元へ!  猟犬が怖いのは皆良く知ってたから、全力で逃げる!  猟犬は走る!ガキ共は逃げる!現場は阿鼻叫喚!  猟犬の息づかいがすぐ近くに聞こえ「うわーやられるーーー」と思った瞬間、おっちゃんの「ストーーーーップ」と言う命令の声とともに、猟犬の足音も聞こえなくなった。  おっちゃんがはるか後方から「次は本当に襲わせるぞ、ガキ共!」みたいなことを叫んでたけど、こっちは「逃げきってやったぜ」みたいな感じで、反省0! もうどうしようもないバカガキだったね。  もちろんおっちゃんに学校に通報され、翌日しっかりこってり先生に絞られはしたけど……。
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あの世界的作家はK区の出身だった!?
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1975年8月17日、山口県宇部市出身。2016年、実の娘・池田レイラとともに父娘コンビ「完熟フレッシュ」結成。著書に『親子漫才!』(KADOKAWA)

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