<有馬記念>“長距離G1データ”から見える「過度な期待禁物の2騎手」…急浮上した「爆穴候補」とは
師走の風物詩としてすっかり定着した有馬記念が28日、中山競馬場で開催される。舞台は中山の芝2500m。外回りコースの3コーナー手前からスタートし、すぐに緩やかなカーブを迎える。合計6回のコーナーと2度の坂越えがある特殊なレイアウトで行われるレースだ。
小回りコースのため、距離のごまかしがある程度利くともいわれるが、今週半ばに降雨があった影響で例年以上にタフさも求められそう。また、位置取りと道中の折り合いも非常に大事で、“長距離戦は騎手で買え”という競馬界の格言通り、騎手の技術も重要なファクターとなるだろう。
そこで今回は、2500m以上の「長距離G1」と、特殊な「中山芝2500m」という2つの条件から、期待できる騎手と過度な期待はできない騎手を探った。第70回有馬記念に騎乗予定の16人の騎手を両条件下の通算成績を基にひもといていこう。
まず2500m以上の長距離G1に当てはまるのは、菊花賞、天皇賞・春、そして有馬記念の3レース。16人の中で長距離G1を初めて経験するのが、ミステリーウェイに騎乗予定の松本大輝騎手だ。
同馬と武豊騎手が騎乗予定のメイショウタバルのハナ争いにも注目が集まるが、経験の浅い23歳の松本騎手はどんな作戦を思い描いているのか。スタート次第では、56歳のレジェンド武騎手に“忖度して”下げる可能性も十分あるだろう。
長距離G1経験組で期待しづらいのは、川田将雅騎手(アドマイヤテラ)と松山弘平騎手(タスティエーラ)の2人だ。川田騎手はマイルG1にめっぽう強いが、2500m以上になると【1-2-1-40】で、複勝率は10%にも満たない。今年G1を2勝している松山騎手にしても、この条件は【0-1-0-21】とサッパリだ。
アドマイヤテラとタスティエーラの2頭はおそらく5~7番人気あたりになると予想されるが、思い切ってバッサリ消去でもいいのではないか。
一方、長距離G1で結果を残しているのが、C.ルメール騎手(レガレイラ)と武騎手の2人。どちらも上位人気濃厚の有力馬に騎乗を予定している。
ルメール騎手は長距離G1で【11-7-4-15】で、複勝率は60%に迫る。武騎手も【17-16-11-55】という好成績で、8年前にはキタサンブラックとのコンビで逃げ切り勝ちを収めている。やはり長距離の一戦は、武騎手の熟練の技に一目置かなくてはいけない。
他には【2-2-2-15】の戸崎圭太騎手(ダノンデサイル)、騎乗機会は限られるが、【2-0-1-6】の横山武史騎手(コスモキュランダ)の2人も気になる存在。特に戸崎騎手はお手馬のレガレイラとダノンデサイルから、後者を選択しているだけに、意地でも勝ちに来るだろう。
ではここからは中山芝2500mにおける各騎手の通算成績を見ておきたい。
年間10鞍ほどしか組まれていない特殊なコースを得意にしているのは、やはりルメール騎手と武騎手の2人。ルメール騎手の通算成績は【12-10-10-18】で、複勝率は驚異の64%にも上る。武騎手も【11-13-8-41】で、複勝率はルメール騎手に次いでメンバー中2位だ。そして戸崎騎手も【12-16-4-50】と、乗り方を熟知しており、有馬記念2勝の実績も光る。
逆に期待しづらいのは、ここでも川田騎手だった。そもそも栗東所属とあって、このコースをそれほど経験しているわけではないが、【2-2-1-18】という成績。川田騎手としては平凡すぎる数字が並んでいる。
当然、名手のC.デムーロ騎手が騎乗予定のミュージアムマイルも気になる1頭だが、同騎手はJRAの長距離G1で通算【0-1-1-5】、中山芝2500mも【1-1-2-8】といまひとつの成績。2500mの距離もやや長いとみて、今回は評価を少し下げてみたい。
結論としては、2つのデータで買い要素がそろった「ルメール×レガレイラ」「武×メイショウタバル」「戸崎×ダノンデサイル」が中心。ただし、穴党として推さずにはいられない爆穴候補が他に1頭いる。

上位人気が予想されているレガレイラ
写真/橋本健
長距離G1経験組で“期待しづらい2人の騎手”
長距離G1で結果を残している騎手は?
中山芝2500mの得意・不得意を分析してみると…
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競馬歴30年以上の競馬ライター。競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。競馬情報サイト「GJ」にて、過去に400本ほどの記事を執筆。
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