更新日:2026年02月27日 19:29
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中道改革連合の敗北「野党が存在しない国」が招く民主主義の歪み/倉山満

 高市早苗首相率いる自民党が衆議院で単独三分の二を獲得した総選挙。リベラル勢力は壊滅し、旧民主党政権を主導した「七奉行」は全員落選。だが、この圧勝は日本政治にとって本当に喜ばしいことなのか。憲政史研究家の倉山満氏は「マトモな野党第一党の不在」こそが、日本の失われた30年を生んだ根本原因だと指摘し、今こそ日本国民は「選択肢」を要求すべきではないかと呼びかける(以下、憲政史研究家の倉山満氏による寄稿)。
中道改革連合のチラシ

「高市早苗か野田佳彦か」を突きつけられた有権者にとって、マトモな野党第一党として選択肢たり得なかった中道改革連合のチラシ。ジャポニカの学習帳にしか見えない――

民意は示された――だが、これで良いのか

 民意は示された。この結果を基礎に未来を考えなければならない。  我が国は1955年以来、マトモな野党第一党を持てなかった。だから、何度選挙をやっても自民党が勝ってきた。  それではいけないと日本国民も思って二度だけ政権交代をさせたが、一回目は短命。二回目の「悪夢の民主党政権」が、日本国民の政権交代恐怖症に拍車をかけた。普通の日本人ならば、どんなに自民党に不満でも、「まさか、あの人たちに政権を委ねる訳にはいかない」と考える。そうなると、ますます自民党の腐敗が進み、選択肢がなくなる。そして多くの日本人が、政治そのものへの不信を抱くようになった。  その成れの果てが、失われた30年だ。そこでようやく、日本国民は気づいた。政治に無関心であるという、たったその一点で、自分の人生が台無しにされることに。

パヨクの敗北が示すもの

 そして今回の総選挙の結果は、パヨクの敗北を示した。共産党とれいわ新選組は合わせて5議席。公明党と合併して中道改革連合を組んだ立憲民主党は、壊滅。旧民主党政権を主導してきた「七奉行」と呼ばれた、枝野幸男・安住淳・岡田克也・玄葉光一郎・樽床伸二ら旧世代の幹部は全員落選。前原誠司は既に維新に移っており、唯一残った野田佳彦はこの壊滅のA級戦犯だ。  私はすべてのリベラルをバカにしているのではない。リベラルの価値観は、間違いなく必要であると考えているし、民主主義が最終的に多数決であるからこそ、少数派の意見を尊重しなければならないと信じている。しかし、「高市自民党に投票すれば、徴兵されて核戦争で殺される」式の言論を垂れ流し、自分たちに投票しなかった国民を「愚民」「ポピュリズム」などと罵倒する連中は、明らかにパヨクだろう。また、七奉行が率いた歴代野党第一党の、民主党~民進党~立憲民主党が、どれほどの勝利を自民党に献上し続けたか。  今回の高市早苗首相の解散劇、やり方はとても褒められたものではなかったが、「私と野田さんのどちらかを首相に選ぶ選挙だ」と言われたら、この結果にならざるを得ない。それにしても、ここまでの大差になるとは思わなかったが。
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もはや、我が国は野党が存在しない国である
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皇室史家。憲政史研究家。1973年、香川県生まれ。救国シンクタンク理事長兼所長。中央大学文学部史学科を卒業後、同大学院博士前期課程修了。在学中から’15年まで、国士舘大学日本政教研究所非常勤職員を務める。現在は、「倉山塾」塾長、ネット放送局「チャンネルくらら」などを主宰。著書に『13歳からの「くにまもり」』など多数。ベストセラー「嘘だらけシリーズ」の最新作『噓だらけの日本近世史』が2月28日より発売

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