更新日:2026年06月27日 08:14
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【イラン攻撃】アメリカとロシアを同じ基準で批判できない国際社会の「現実」/倉山満

2月28日、米イスラエル両国によるイラン攻撃が発表され、トランプ大統領は最高指導者であるハメネイ師の死亡を明らかにした。これを受けた「なぜ米国やイスラエルをロシアと同列に批判しないのか」との声に対し「答えは単純明快」と語るのは憲政史研究家の倉山満氏だ。個人の道徳基準を当てはめられない国際社会の実情と、問題の核心たる主権国家間の力学について倉山氏が読み解く(以下、憲政史研究家・倉山満氏による寄稿)。
アリ・ハメネイ師とドナルド・トランプ米大統領

1989年からイランの最高指導者だったアリ・ハメネイ師。米国の「内政干渉」を批判し反米路線を掲げ、核開発問題を巡って米国と対立してきた 写真/AFP=時事

アメリカとロシアを同列に批判できない理由

世の中には、簡単に答えられる問題を絶叫する人がいる。「ロシアを国際法違反だと非難するなら、なぜ米国やイスラエルを同じように批判しないのか? 二重基準だ!」と。 答えは「同盟国だからだよ」に尽きる。米国は名実ともに日本の同盟国、イスラエルは友好国である。「友達が悪いことをしたら、悪いと言ってあげるのが友達だ」式の、個人の道徳を国際社会に持ち込んではいけない。そもそも、同盟国も友好国も、友達ではない。 こういう人は、国際法と国内法の区別がついていないようだ。国際法を国内法のように「万人に等しく適用されるべき法律」とでも勘違いしているのか。確かに国内法は、その国の全員に適用される。どんな権力者や金持ちも、人を殺したら逮捕され裁判にかけられ刑務所に送られるのが文明国だ。いかなる権力者でも金持ちでも、政府が捕まえる。この権力を主権と呼ぶ。 では、国際社会に主権者がいるのか? 万国に国際法を適用させる主権者など存在しない。国際社会には、警察も検察も裁判所も刑務所も存在しない。国際刑事警察機構だの国際司法裁判所だのといった、そういう名前の組織はあるが、本気で主権国家に抵抗されたら無力だ。

二重どころか主権国家の数だけある基準


憲政史研究家。1973年、香川県生まれ。救国シンクタンク理事長兼所長。中央大学文学部史学科を卒業後、同大学院博士前期課程修了。在学中から’15年まで、国士舘大学日本政教研究所非常勤職員を務める。現在は、「倉山塾」塾長、ネット放送局「チャンネルくらら」などを主宰。著書に『13歳からの「くにまもり」』など多数。トランプ再来で揺れる世界を見通すための新章を追加したベストセラー『増補版 嘘だらけの日米近現代史』(扶桑社新書)が発売中

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