アメリカの日本食店が見た“日米客の意外な差”。本物の和食に「自分の知っているものと違う」と驚くアメリカ人客も
「日本人は物静かに食べ、アメリカ人は店員を質問攻めにする」――アメリカで暮らしていると、レストランでの日米の違いを実感する場面は少なくない。実際、日本人客とアメリカ人客では、振る舞いにかなり違いがある。
ワシントンD.C.とその近郊の日本人は、ニューヨークやロサンゼルスに比べるとかなり少ない。日本食レストランもそれほど多くない。
もっとも近年は、アメリカでの日本食人気の高まりを背景に、居酒屋やラーメン店も増えてきた。一方で、「あれ?」と思わせる味やメニューを出す“アメリカ流にアレンジされた和食店”が少なくないのも実情だ。
そんなD.C.で、本格的な和食を提供すると評判なのが、「コウ ジャパニーズ ダイニング」。オーナー、シェフが共に日本人で、家族経営。日本大使館関係者や在住日本人、日本で暮らした経験のあるアメリカ人も足を運ぶ人気店だ。

今回は、接客担当、シェフ、オーナーに、日本人客とアメリカ人客の違いについて話を聞いた。

まず接客担当のカーラさんに話を聞いた。
「コウ ジャパニーズ ダイニング」で働き始めておよそ2年。現在は店で最も長く働く接客スタッフとして店を支えている。立命館大学とアメリカン大学の共同学位プログラムの一環で、京都に2年間留学した後、アメリカへ戻ってきたという。
日本に興味を持ったきっかけを聞くと、「少し恥ずかしいのですが」と前置きしつつ、アニメの影響が大きかったと語る。
「『プリキュア』とか『アイカツ!』みたいな作品が好きでした」
カーラさんは、日本人客とアメリカ人客で“距離感”を変えている。
日本人客とは会話することもあるが、自分から積極的に話しかけることは少ない。むしろ、相手から話しかけられたり、「今なら話しても大丈夫そう」と感じた時に声をかけるという。
「日本に2年間住んでいた経験が、接客にも役立っています。日本では“空気を読む”ことや、“相手の反応を見る”ことがとても大事なので、それは特に意識しています」
一方、アメリカ人客は質問が多いという。カーラさん自身も、「これは本当におすすめです」と、丁寧に説明するようにしているそうだ。
「『これが和食の味ですよ』と伝えると、アメリカ人のお客さんは安心するんです」
カーラさんによると、アメリカ人客は大きく2タイプに分かれる。
1つ目は、アメリカ風にアレンジされた日本食に慣れている層だ。彼らは「え? これが和食?」と警戒気味で、矢継ぎ早に質問してくることもある。
ただ、実際に食べてみると、「すごく美味しい」と驚く人もいれば、「これは違う」と不満を口にする人もいるという。
「アメリカ風の寿司に慣れている人は、『この寿司は違う』『正しい作り方じゃない』と言うこともあります。アメリカでは、“日本食とはこういうもの”というイメージがすでに出来上がっているんです」
一方で、日本で暮らした経験のあるアメリカ人客は、むしろ伝統的な料理を好む傾向があるという。
揚げ出し豆腐や卵焼きは特に人気メニューだそうだ。

ワシントンD.C.で人気を集める「コウ ジャパニーズ ダイニング」
“空気を読む”日本式接客を意識

京都の大学で学んだ経験を持つ接客担当のカーラさん
アメリカ在住のジャーナリスト。日系メディアのワシントン支局で20年以上、国際関係を中心に報道し、ホワイトハウスや米国の政治・社会、国際情勢を取材。2025年4月よりワシントンDCを拠点にフリージャーナリストとして活動。日米関係やワシントンDCから見たアメリカについて執筆している。世界100ヵ国以上の現地在住日本人ライターの組織「海外書き人クラブ」会員
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