ライフ

「紙のメニューを持ってこい!」スマホ注文ができず店員に怒鳴る高齢男性。親切な若者が手を差し伸べた結果…

「ちょっと面倒だな」と、飲食店のスマホ注文にためらった経験はないだろうか。人手不足の現場を支える便利な仕組みだが、操作に戸惑う客がいるのも確かだ。調査では利用経験者が6割を超える一方、シニア世代には拒否感も強いという。今回は、そんな新しい仕組みをめぐる、ある夜の居酒屋での出来事を紹介したい。
つまようじ

画像はイメージです

スマホで注文する店でのひと悶着

山本聡さん(仮名・22歳)は友人4人と、いつもの居酒屋で楽しい時間を過ごしていた。 隣のテーブルにスーツ姿の男性3人組が入ってきたのは、山本さんたちが2杯目を頼んだ頃だった。 「最初は普通のサラリーマングループという印象で、特に気に留めていませんでした。定年間近に見える3人組でした」と山本さんは振り返る。 ところが数分後、そのうちの1人が突然「なんだこれは」と声を荒らげた。 「実は以前まで卓上にあったメニュー冊子が消えて、今はQRコードが貼られた小さなプレートだけになっていたんです」 一覧できるメニュー表がないことに、男性は相当戸惑っている様子だった。

年配には無理だと店員に怒鳴りはじめ…

男性はスマホを取り出してコードにかざしたものの、操作がうまくいかない。苛立ちのあまり、スマホをテーブルに叩きつけるように置いた。 そのまま近くを通った若い店員を呼び止め、「どうやって頼むんだ」と詰め寄る。 店員は横に寄り添い、丁寧に説明を始めた。しかし、男性の表情は一向にほぐれない。操作でつまずくたびに、小さく舌打ちを繰り返す。 「おい、もう紙のメニューを持ってこい。こんなんじゃ頼めない」 店員が「当店はQRコードのみの対応でして」と答えると、男性の声はさらに大きくなった。 「客のことを考えていない店だな。年配には無理だろ、こんなの。不便すぎる」 同席していた同僚たちは苦笑いを浮かべるばかりで、誰も止めようとはしない。面白がっているのか、それとも困っているのか、判然としない表情で見守るだけだった。 奥から店長らしき人物が駆けつけ「申し訳ございません」と頭を下げたが、それが逆効果だったのか、謝罪を受けるたびに男性の勢いは増していく一方だった。
次のページ
緊迫した空気を変えた若者の提案
1
2
ライター・エッセイストとして活動中。趣味は人間観察と読書。取材からエッセイ、コラムまで幅広く執筆している
記事一覧へ
SPA!編集部が「人生後半を賢く楽しく生きる」をテーマに厳選した記事をメルマガ会員限定で毎週金曜日にメールでお届けします。仕事・お金・性・人間関係…人生を豊かにする秘訣が見つかります。無料・10秒で完了です。
無料でメルマガ登録する⇒⇒
※登録後、メール認証が必要です。受信した認証メールをクリックして、登録を完了させてください。
※認証メールが届かない場合、迷惑メールに入っているか、メールアドレスが間違っている可能性があります。再度ご登録ください。