仕事

30kgの荷物が「わずか3kg」の負担に。80代も働く現場で普及する“電力不要”スーツの実力とは

ガテン系の仕事は稼げても、年齢を重ねれば体がもたなくなる――そんな“定説”を覆す可能性を秘めているのが、装着型アシストスーツだ。電力不要で重い荷物の負担を大幅に軽減するだけでなく、姿勢改善や腰痛予防、筋力維持にも効果があるというがその実態は?

何歳までガテン系仕事を続けられるのか?

中年からでも稼げる[ガテン系職]案内

東京理科大学の小林宏教授は’00年から空気圧を利用した人工筋肉のアシストスーツ研究を開始し、’14年に製品化。今夏に軽量化した新製品を発売予定

ガテン系仕事は稼げるが、職種によっては身体的負担が重くなる傾向にある。高所作業を伴う肉体労働などでは死亡リスクもつきまとう。 では、我々は何歳までガテン系仕事を続けられるのか? ブルーカラー従事者の明るい未来を切り開きつつあるのが、東京理科大学の小林宏教授が25年以上前から研究・開発を続ける装着型アシストスーツ「マッスルスーツR」だ。 「現在、重いモノを運ぶ現場作業員や介護士、農家さんなどさまざまな分野の人に使っていただいています。普及しているのは4万台ですが、利用者は世界22か国にわたる。80歳を超えてもスーツを利用しながら、農業に取り組まれている方もいるようです」

電力不要のマッスルスーツを開発

マッスルスーツと聞くと、“アイアンマン”のような電動式のスーツを思い浮かべるかもしれないが、小林教授が開発したのは電力不要のタイプだ。背負って空気圧を加えるだけで、マッチョ感覚に。 「本当に社会の役に立つものを作りたかったので、当初から働く側の肉体の限界と、開発側の技術の限界を相互に補えることを意識しました。ゴムやナイロンを主な素材にして空気圧で動くチューブ状の人工筋肉にこだわったのはそのため。電動式のアシストスーツを研究されている企業もありますが、思いどおりに動かすのが難しいうえに、重量がかさみ、製品価格は高くなりがちなので、ほとんど普及していません。 一方で、空圧式の人工筋肉モデルは人の動きを妨げない構造で、なにより安く作れる。電力不要なので、屋外でも長時間使用できるんです。リュックサックのように背負い、手動式のポンプで空気圧を加える仕組みですが、身に着けるだけで最大約27㎏相当の補助が可能。30㎏のモノを3㎏程度の負担で持ち上げられるようになる」
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肉体の補助にとどまらない効果も確認
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