今でも色褪せない、ほろ苦い放課後の記憶 『五十年目の両想い』/新堂冬樹
―[五十年目の両想い]―
【これまでのあらすじ】
五歳の少年・豊は、同級生の真理亜に恋をした。廃教会で交わした幼い結婚式ごっこ。おもちゃの指輪に込めた「愛します」の誓いは、子どもの遊びでは終わらなかった。それから五十年――。
児童文学出版社「童夢ファクトリー」を営む五十五歳の豊は、時代の変化に戸惑いながらも、子どもたちに夢を届ける本づくりに情熱を注いでいる。勝ち気な編集長・白川美沙との何気ないやり取りのなかで、豊の脳裏には、幼い頃からずっと忘れられない真理亜の面影がよみがえる。
【主な登場人物】
豊(ゆたか)五十五歳。児童文学出版社「童夢ファクトリー」社長。穏やかで争いを好まない性格。五十年前に抱いた初恋を、いまも胸の奥にしまい続けている。 真理亜(まりあ)
豊の幼なじみ。明るく自由奔放で、いつも豊を振り回してきた”太陽のような少女”。豊にとって、決して忘れられない存在。 白川美沙(しらかわ・みさ)
「童夢ファクトリー」編集長。豊の元部下で、令和世代らしい感性を持つ仕事のパートナー。歯に衣着せぬ物言いで豊を翻弄するが、その姿はどこか真理亜を思い出させる。 【前回】⇒「勝気な部下の仕草に、初恋の面影を重ね合わせて」

1-2 セピア色の記憶
―[五十年目の両想い]―
小説家、実業家、映画監督。1998年に『血塗られた神話』で第7回メフィスト賞を受賞し、デビュー。“黒新堂”と呼ばれる暗黒小説から“白新堂”と呼ばれる純愛小説まで幅広い作風が特徴。『無間地獄』『カリスマ』『悪の華』『忘れ雪』『虹の橋からきた犬』『そのヘビ、ただのヒモかもよ!』『シン人間失格』など、著書多数。芸能プロダクションも経営し、その活動は多岐にわたる。
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