「店員の仕事だったことを、なぜ客が?」セルフレジやQR・タッチパネル注文に疲弊する人々の声。操作方法もバラバラで困惑
セルフレジ、QRコード注文、タッチパネル、生成AI……。生活を便利にしてくれるはずのデジタル技術だが、新しい仕組みが次から次に登場するあまり、「ついていけない」と感じる人も少なくない。日常生活で“ハイテクの壁”にぶつかる人たちに話を聞くと、そこには「機械音痴」や「IT弱者」という言葉だけでは片づけられない事情があった。


近頃、牛丼店やファストフード店などでは、タブレットや食券機を通じたタッチパネル式の注文が当たり前になりつつある。便利な反面、「注文までのハードルが高い」と嘆くのは林田省吾さん(仮名・49歳)だ。
「最近、大手牛丼チェーン店のタッチパネルが『目的のメニューがものすごく探しづらい』とSNSで話題になりました。ですが、僕の場合は、どの店舗のタッチパネルも平等に苦戦しています。いろいろな牛丼屋や飲食店を利用しますが、店ごとに機械のボタンの位置や操作方法が違うから、目当ての商品を見つけるのにすごく時間がかかるんですよ」


なかでも困るのが、席に着く前に食券機で注文するタイプの店だという。
「券売機でモタモタして順番待ちの人がズラリと並ぶこともしょっちゅうあって、『早くしなきゃ』って焦るんですよね。自分のせいで待たせるのは申し訳ないし。これなら、普通に店員さんへ注文するほうが気楽ですよ……」
飲食店ではほかにも、テーブルに置かれたQRコードをスマホで読み取り、スマホ端末から注文する方式も増えている。立花和雄さん(仮名・69歳)がよく行く近所の居酒屋も、今年に入って店員への直接注文から、QRコードでの注文形式に変更された。
「初めてだったので、使い方がまったくわかりませんでした。一緒に店を訪れた妻もITにはからっきし弱いので、店員さんを呼んだら、横でつきっきりで教えてくれました。でもそれなら『その時間で普通に注文を聞いてくれたらいいのに』と思いましたね。QRコードを導入することで、人為的な注文ミスが減るなど、店側のメリットがあることは理解できます。でも、これまで店員が担っていた作業を客側が行うことに疑問を感じています」
「後ろに人が並ぶと焦る」店ごとに違うタッチパネル


大手牛丼チェーン店では、食券機を使っての注文が当たり前になった。使い慣れていないと、目当ての商品をどこから選んでいいものか戸惑ってしまうだろう(編集部撮影/写真は本文と関係ありません)


大手牛丼チェーン店が運営する回転寿司店。食べ物・飲み物の注文はすべてタッチパネルで行い、商品を受け取った後は画面を通じて受取報告を行わなければならない(編集部撮影/写真は本文と関係ありません)
説明を受けるくらいなら「直接注文を聞いてくれれば…」
浅く広くがモットーのフリーライター。紙・web問わず、ジャンルも問わず、記事のためならインタビュー・潜入・執筆・写真撮影・撮影モデル役など、できることは何でもやるタイプ。X(旧Twitter):@matsushima36
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