更新日:2026年09月26日 16:31
エンタメ

マックフルーリー、チャルメラ…最近よく見る「懐メロの替え歌」CMに覚える“違和感”の正体

最近よく見る「懐メロの替え歌」CM

 昔からヒット曲の替え歌は存在してきました。作者が怒りそうなギリギリのラインを攻めつつも、思わず「上手いな」とうなってしまう言葉遊びは、確かに音楽のひとつの楽しみかたではあります。  最近も、替え歌をフィーチャーしたテレビCMをよく見ます。しかしながら、そこにはかつてあったようなユーモアや皮肉、そして言葉を巧みに配置する細やかな職人芸はありません。代わりに、懐メロの力に寄りかかった無策ぶりばかりが目立つようになってしまいました。  最近のテレビCMに顕著な、この怠惰なノスタルジアについて考えます。

メロディーと歌詞を無惨に分断する替え歌

 象徴的な例が、マクドナルドの新作マックフルーリーのCMです。人気ガールズグループ・HANAのKOHARUが「Lifetime Respect」(三木道三)の<一生一緒にいてくれや>というフレーズを歌ったあとに、何のひねりもなく同じメロディーで<アーモンドチョコレートと マックフルーリー>と続けるのです。オリジナルの歌詞の<みてくれや才能も全部含めて>の音韻とは何一つ重なっていません。ただの商品紹介のためだけに、メロディーと歌詞が無惨にも分断され、「Lifetime Respect」という曲の生命が奪われてしまったのです。  鈴木福が出演する明星「チャルメラ」のCMにも同様の問題が起きています。奥田民生の「さすらい」の替え歌を鈴木福本人が歌うというもので、その歌いだしはラーメンとかけて<さぁすすろう>となっているのです。そして<ホタテだしが かくし味だから美味いよ チャルメラ食べよう>と続く。  これは、「さすらい」と<さぁすすろう>が辛うじてなるほどと思わせるのみで、あとはただの情報提供になってしまっています。マックフルーリーの「Lifetime Respect」とほぼ同じだと言っていいでしょう。  こちらも、原曲に漂う大陸的なムードは跡形もなく消えてしまい、ひとつの小ネタに再利用される目的に矮小化されてしまいました。
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なぜ90年代や2000年代前半の曲ばかり使われる?
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音楽批評の他、スポーツ、エンタメ、政治について執筆。『新潮』『ユリイカ』等に音楽評論を寄稿。『Number』等でスポーツ取材の経験もあり。X: @TakayukiIshigu4

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