南鳥島でレアアース回収成功! 億超え投資家が「数年かけて大化けする」と睨む、国策関連株“3つの本命”
スマホやAIを動かす際に欠かせない金属材料がレアアースである。これまで日本は需要の多くを中国からの輸入に頼ってきた。それが昨今の南鳥島の採掘実証によって変わりつつあり、「レアアース関連の事柄が今後、数年かけて動く可能性がある」と話すのは資産億超えの個人投資家、結喜たろう氏である。レアアースを巡る日本株の状況は今どうなっているのか。億超え投資家の視点をお届けする。

資産億超えの個人投資家の結喜たろう氏。株式や為替を20年以上取引し、リーマン・ショックやアベノミクス相場も乗りこなしてきた。その投資手法は、市場にとって話題になる大きなテーマから銘柄を絞り込み、決算発表から好業績が見込まれる株を売買するという至極堅実な方法だ。
近頃、結喜氏が気になるテーマに「レアアース」があると言う。
「レアアースとは希少な17種類の金属をまとめた呼び方です。原子番号39番で『Y』のイットリウムや、60番『Nd』ネオジウム、66番『Dy』ジスプロシウムなどがあり、電気自動車のモーターや半導体、航空機、防衛装備などに使われています。現在の産業構造には欠かせない材料でもあります。ただ、資源に乏しい日本は多くを輸入に頼っており、レアアースは中国の存在感が大きかったりします」
レアアース価格の上下は「安く買えたからよかった」という話ではない。「経済安全保障の話でもあり、多少コストがかかっても自国で確保したり、調達先を分散する必要がある」と結喜氏は語る。そこで、注目されるのがレアアースを含んだ泥がある南鳥島沖の海域だ。元々、レアアースがあるのは分かっていたものの、水深6000m近い深海にあり採掘が難しいとされていた。
「実は、先日内閣府のプロジェクトで水深5569mの海底からレアアース泥を船上まで連続して引き上げることに成功しました。3日間で約50トンを回収し、レアアース総量の約54%がイットリウムやジスプロシウムなどの中重レアアースと分かりました。2027年からは本格的な採鉱試験も予定されてます」
氏が投資で銘柄を考える際の「思惑相場」の考え方によると……。実際にレアアースが掘れて回収でき、具体的な数字が出てきたので、より多くの投資家が注目されるフェーズに入ってきたと言う。
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日本のレアアース、試験採鉱は2027年に

レアアース関連で注目される3つの銘柄
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レアアース関連で氏がまず挙げるのは東洋エンジニアリング(東P・6330)だ。

「本業は石油化学や、肥料、発電設備などのプラント設計・調達・建設の総合エンジニアリング企業でレアアース専業ではありません。とはいえ、国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)から委託を受けて、深海からレアアース泥を回収するシステムの技術開発に関わっており、解泥や採泥の機器設計や製作も一部担っています。足元の業績も改善していたりします」
直近の第1四半期で売上高は前年同期比でやや減少ではあるものの、営業利益は前年同期比で186.5%増の19億1700万円で、通期の営業利益計画が30億円に対して1Qだけで6割超えである。レアアースで利益が増えているというより、前期の赤字から業績が回復している段階で株価も反応している状況だと氏は分析する。
続けて、関連して氏が挙げるのは信越化学工業(東P・4063)だ。

「そもそも、信越化学工業はシリコンウェハーや塩化ビニルなどが世界トップクラス。レアアースを掘ったあとの、製錬やレアアース磁石など素材側の企業です。直近の業績は売上高が前年同期比5.4%増と、営業利益が4.2%増とそこまで強い数字ではなくて株価も足元では少し弱い。でも、国策との接点は明確です。信越化学工業の国内の製錬設備の新設とレアアース生産の増強計画に対して経済産業省が2026年5月に計画認定と約175億円を助成しています」
国が資金を提供して設備を作るところまで来ているのが信越化学工業のフェーズでもあるのだ。
もう一つ、DOWAホールディングス(東P・5714)も分かりやすい銘柄と氏は言う。

「この会社は環境、リサイクル、製錬、電子材料、金属加工、熱処理など事業が多岐に渡ります。レアアースとの関連で注目したいのは、環境、リサイクルと製錬です。もともとDOWAホールディングスは『都市鉱山』言われる使用済みのスマホやPCなどの製品からレアアース磁石を回収して再資源化する技術を持っている企業でもあります。2026年9月には電動車の駆動モーターからレアアース磁石を回収・再資源化する技術の実証実験が環境省で採択されたりするのにも注目です」
足元の決算が強いのも大きな特徴だ。第一四半期が売上高2533億9500万円、営業利益247億4800万円、経常利益325億2700万円で、前年同期と比べても売上高は約58%増、営業利益も3.8倍増である。ただ、「金属価格や為替などの外部要因で株価が動くのでその点は注意が必要」とも氏は指摘する。
2027年からは南鳥島で本格的な採鉱試験が始まる。国の予算付けから、実証実験が行われて、設備投資をして事業として成り立っていく。上記で挙げた銘柄はレアアース関連ではあるものの、今買えばすぐ上がる銘柄ではないという。しかし、その一方で「新たな材料が出るたびに関連銘柄は動く可能性がある」とも結喜氏は言う。これから数年間かけてテーマとしての「レアアース」と、その関連株は覚えておいて損はないはずだ。
<構成/上野智(まてい社)>
※株式投資はご自分の判断と責任に基づいておこなってください。
個人投資家・一級建築士/工学修士 建築設計事務所勤務を経て独立。 空間建築デザイン業務と並行しながら、個別株を中心に資産運用を実践。不況により事業が厳しい状況に追い込まれる中、趣味で続けていた投資が経営の立て直しに大きく貢献し、億トレーダーの仲間入りを果たす。個人投資家グループや証券会社などからの講演依頼も多く、四半期成長率を重視した銘柄選定と、チャート分析に基づく論理的な売買手法に定評がある。著書『四半期成長率とチャート分析』(パンローリング社刊)は2024年ブルベア大賞を受賞。ラジオNIKKEI『きらめきの発想』準レギュラー。 パンローリング主催『ファクター分析投資スクール』担当講師。
X(旧Twitter):@tarouyuuki0322

東洋エンジニアリング〈6330〉

信越化学工業〈4063〉

DOWAホールディングス〈5714〉
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