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高市改造内閣の人事から読み解く「次に動く国策テーマ」。億超え投資家が注目する医療DX・防衛関連株4選

「責任ある積極財政」や「防衛力強化」を掲げた高市内閣はこの9月に内閣の人事を刷新し、第二次高市改造内閣として移行。全18人の閣僚の内、10人を入れ替える実務型の人事を行っている。資産億超えの個人投資家、結喜たろう氏は「人事から政府の投資先が見えてくる」と語ります。医療DX、サイバーセキュリティ、防衛などのテーマで今政府はどのような領域に投資しようとしているのか。億超え投資家の視点をお届けする。
高市早苗

写真/産経新聞社

第2次高市改造内閣で見えた「次に動く国策テーマ」

資産億超えの個人投資家の結喜たろう氏。株式や為替を20年以上取引し、リーマン・ショックやアベノミクス相場も乗りこなしてきた。その投資手法は、市場にとって話題になる大きなテーマから銘柄を絞り込み、決算発表から好業績が見込まれる株を売買するという至極堅実な方法だ。 先日発表された第2次高市改造内閣、その閣僚の顔ぶれで結喜氏は驚いた人事があると言う。 「特に私が気になったのは古川俊治デジタル大臣です。古川氏は埼玉県選出の参議院議員で、医師でありながら弁護士資格も持つ特殊な経歴の人物。ちなみに音楽グループTRFのダンサーSAMさんが従兄弟だったりする家系です(笑)。今回、古川氏はデジタル分野だけでなく、AI・人工知能戦略、サイバー安全保障、科学技術、宇宙、海洋など非常に幅広い分野を担当すると高市首相は明言しています」 この報道をみて結喜氏は「AIやデジタルのみならず、データ、法律、サイバーセキュリティまで一体で進めるのでは」と感じたそう。 「古川氏は医師で弁護士でもあります。関連して真っ先に浮かんだのは医療DXとサイバーセキュリティの領域。とはいえ、古川氏が大臣になったからと言ってすぐに医療DX関連の銘柄が跳ね上がるわけはありません。就任以前から2027年度の概算要求では、厚労省が医療DXに934億円を計上しています。事項要求では電子カルテのクラウド化、標準化・データ連携などの具体的な政策が並んでいます。医療機関のサイバーセキュリティ強化では137億円が要求されて、専門人材、サイバー演習、外部接続点の制御、病院の点検、初動対応まで対象になっていたりします」 大事なのは、内閣の人事を見てテーマを想像するだけでなく、「人事と既に出ている予算と政策を重ねることである」と氏は語る。

国策テーマでの代表的な銘柄とは

国策のテーマが見えてきたなかで、そのテーマでの代表的な銘柄を結喜氏は挙げてくれた。 残り:約1423字。続きを読むには会員登録(無料)orログインをしてください。※ログイン後も下記のボタンは表示されます
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「まずはPHCホールディングス(東P・6523)です。糖尿病製品や臨床検査、医療システムに強い会社で、配下にあるWEMEXは電子カルテや電子処方箋などの医療ITにも強い会社。前身はパナソニックヘルスケアであったりもします。今後は、認証製品の公表や、導入施設の増加に注目です。政策が実際に企業実績に反映されるところを見たいですね」
PHCホールディングス〈6523〉

PHCホールディングス〈6523〉

医療DXが進むなかでは個人情報の保護は必須。そこで、挙がるのがサイバー対策関連である。 「サイバー関連の医療DX周りだとソリトンシステムズ(東P・3040)が代表的な銘柄です。既に医療機関や薬局向けのセキュリティサービスに同社のサービスが採用されている。医療DX、セキュリティ需要、実際のサイバー対策製品という商流が見えてきます。137億円の概算要求されている政策がどの企業の受注や売上になるのか。元請けだけでなく、実際に使われる製品までを確認したいところです」
ソリトンシステムズ〈3040〉

ソリトンシステムズ〈3040〉

システムに続いてAI関連ではガバメントAIの本格利用が検討されている。その関連銘柄も有望なのだとか。 「ガバメントAIや国産AIでは、富士通(東P・6702)も見ておきたいところ。デジタル庁のガバメントAI『源内』で評価検証される国産LLMの一つに、富士通の『Takane 32B』が選定されています。現在は実際にガバメントクラウド上で試用・評価が進められており、2027年度には評価を通過した国産AIを政府が有償調達する予定です。政府がAIを使うという“物語”から、実際の政府調達へ移る過程を見る代表的な企業として注目しています」
富士通〈6702〉

富士通〈6702〉

もう一つは、三菱重工業(東P・7011)を見ておくと全体の方向性が見やすいとか。 「防衛関連での筆頭が三菱重工業ですね。艦艇、ミサイル、航空機、ドローンや無人水上艇などの無人アセット、宇宙まで事業領域が広く、防衛政策の方向性がわかる代表的な企業です。ただ、今後の政府の政策次第ではIHI(東P・7013)の方が直接的な投資があったり、さらに小さな企業に受注が波及する可能性もある。ですから、三菱重工業を一番上がる防衛株と見るのではなく、防衛政策を見るための中心と捉えておくとよいとおもいます」
三菱重工業〈7011〉

三菱重工業〈7011〉

これらの代表的な銘柄群を挙げつつも、最後に結喜氏は「現在から2026年末までの動きが面白い」と念を押す。 「現在、財務省では来年2027(令和9年)年度予算の概算要求が出揃った状況です。これから予算編成が進み、編成や審議の進行に合わせて財務省から資料が追加されていきます。前年の予算で政府案は12月26日に閣議決定されていました。これから年末にかけて政府予算案が出るなかで、『注目されたテーマに本当に予算がついたのか?』という問いへの答え合わせができます。ここから、年末にかけて、大臣の発言、制度変更、公募、企業IRなどを材料に株価も思惑で動く面白い状況になっていきます」 本連載では次週以降、「今週の株式市場ではこのテーマが動いた」という観点で、億超え投資家結喜氏の見方をお届けする。医療DX、サイバーセキュリティ、防衛など、動きそうなテーマが多いなか、実際に株式投資と政府予算案がどう繋がってるかを理解できれば、投資の一助になるはずだ。 <構成/上野智(まてい社)> ※株式投資はご自分の判断と責任に基づいておこなってください。
個人投資家・一級建築士/工学修士 建築設計事務所勤務を経て独立。 空間建築デザイン業務と並行しながら、個別株を中心に資産運用を実践。不況により事業が厳しい状況に追い込まれる中、趣味で続けていた投資が経営の立て直しに大きく貢献し、億トレーダーの仲間入りを果たす。個人投資家グループや証券会社などからの講演依頼も多く、四半期成長率を重視した銘柄選定と、チャート分析に基づく論理的な売買手法に定評がある。著書『四半期成長率とチャート分析』(パンローリング社刊)は2024年ブルベア大賞を受賞。ラジオNIKKEI『きらめきの発想』準レギュラー。 パンローリング主催『ファクター分析投資スクール』担当講師。 X(旧Twitter):@tarouyuuki0322
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