更新日:2022年07月24日 17:25
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【第98回甲子園】西日本の2校はベンチ入り全員が「野球留学生」

 夏の風物詩とも言える、第98回全国高校野球選手権大会が7日に開幕する。昨年は高校野球100年周年の記念すべき大会と言われたが、今年は第98回大会であり、第100回大会で3年生を迎える1年生が甲子園に登場する年でもある。 【第98回甲子園】西日本の2校はベンチ入り全員が「野球留学生」 注目の選手といえば、まずは「BIG3」と称される3投手、高橋昴也(花咲徳栄)、寺島成輝(履正社)、藤平尚真(横浜)だろう。高橋は6試合37イニングを投げて与四死球2とコントロールが緻密で、縦割れの変化球と最速152kmのストレートが魅力だ。寺島は最速149kmのストレートを武器に、精度の高いスライダーとフォークを織り交ぜる安定感で初めて甲子園の舞台を踏む。藤平は中学時代から全国大会で活躍し、縦横のスライダーとフォークのキレが抜群で、最速153kmの本格派右腕。神奈川大会の奪三振率11.91も目を見張る。  野手では、常葉菊川の栗原健が静岡大会でチーム最多の3本塁打を放っており、九鬼隆平を中心にチーム打率.405と破壊力を持つ秀岳館の対戦が初戦の好カードと言えそうだ。1年生から甲子園で活躍し、“バンビ2世”と呼ばれた東邦の藤嶋健人も最後の甲子園に「4番・ピッチャー」の二刀流で登場する。  そんななか毎年議論となるのが、甲子園常連校などが県外から選手をスカウトなどして集める「野球留学生」問題だ。親の転勤、通学の利便性など近隣県での「越境」もあるが、関西から東北や山陰に越境する選手が多く、高校野球ファンならずとも議論の的となっている。また、甲子園で”強豪”として数えられる高校の多くが、県外の有力選手をスカウティングしていることも知られている。今年は2012年以来のベンチ全員が「野球留学生」のチームが出場する予定だ。  2012年から日刊SPA!で記事を掲載して今年で5回目となる同調査。調査を続けた第94回以来、甲子園出場校に限っていえば「留学生」は増加の一途を辿っている。以下の記事とデータは各都道府県の代表校のベンチ入り18人の選手のうち、県外出身者の占める割合を表したものである。  予選参加校が多い愛知(190校)神奈川(188校)大阪(177校)と少ない鳥取(25校)や高知(29校)では明らかな”格差”が生じていることや、こうした「留学生」が各地域のレベルを押し上げていることも鑑みて、以下のデータをみていただきたい。今年は創部3年目で甲子園への切符を手にしたクラーク国際がダークホースとなりそうだ。10年連続で戦後最長を更新する聖光学院、吹奏楽部が盛んな市尼崎や出雲にも注目したい。 <取材・文/北村篤裕> ●2016県外出身者人数(ベンチ入り18人のうち) ※学校名[出場回数/公私立/予選参加校数]:県外者人数(出身中学県) [なし]10校(昨年9校) ・大曲工[初出場/県立/47校](秋田) ・中越[2年連続10回目/私立/86校](新潟) ・富山第一[3年ぶり2回目/私立/47校](富山) ・市尼崎[33年ぶり2回目/市立/162校](兵庫) ・境[9年ぶり8回目/県立/25校](鳥取) ・出雲[初出場/県立/39校](島根) ・唐津商[5年ぶり5回目/県立/41校](佐賀) ・長崎商[29年ぶり7回目/市立/57校](長崎) ・大分[2年ぶり2回目/私立/45校](大分) ・嘉手納[初出場/県立/63校](沖縄) [1~5人]13校(昨年19校) ・作新学院[6年連続12回目/私立/63校](栃木):1人=群馬1 ・前橋育英[3年ぶり2回目/私立/65校](群馬):1人=栃木1 ・東邦[2年ぶり17回目/私立/190校](愛知):1人=岐阜1 ・鳴門[5年連続11回目/県立/31校](徳島):1人=兵庫1 ・北海[2年連続37回目/私立/115校](南北海道):3人 ・八王子[初出場/私立/128校](西東京):3人 ・いなべ総合[6年ぶり2回目/県立/63校](三重):3人 ・市和歌山[2年ぶり5回目/市立/39校](和歌山):3人 ・広島新庄[2年連続2回目/私立/92校](広島):3人 ・樟南[3年ぶり19回目/私立/73校](鹿児島):3人 ・星稜[2年ぶり18回目/私立/50校](石川):4人 ・履正社[6年ぶり3回目/私立/177校](大阪):5人 ・智弁学園[2年ぶり18回目/私立/41校](奈良):5人 [9人以下]12校(昨年8校) ・木更津総合[3年ぶり5回目/私立/170校](千葉):6人 ・北陸[24年ぶり3回目/私立/30校](福井):6人 ・クラーク国際[初出場/私立/97校](北北海道):7人 ・関東一[2年連続7回目/私立/137校](東東京):7人 ・東北[7年ぶり22回目/私立/72校](宮城):8人 ・花咲徳栄[2年連続4回目/私立/158校](埼玉):8人 ・横浜[3年ぶり16回目/私立/188校](神奈川):8人 ・佐久長聖[2年ぶり7回目/私立/84校](長野):8人 ・常葉菊川[3年ぶり5回目/私立/112校](静岡):8人 ・松山聖陵[初出場/私立/60校](愛媛):8人 ・九州国際大付[3年連続7回目/私立/134校](福岡):8人 ・常総学院[3年ぶり16回目/私立/100校](茨城):9人 [10人以上]14校(昨年13校) ・鶴岡東[2年連続5回目/私立/49校](山形):10人 ・聖光学院[10年連続13回目/私立/78校](福島):11人 ・山梨学院[5年ぶり6回目/私立/36校](山梨):11人 ・近江[2年ぶり12回目/私立/52校](滋賀):11人 ・高川学園[初出場/私立/59校](山口):11人 ・日南学園[2年ぶり8回目/私立/48校](宮崎):11人 ・盛岡大付[2年ぶり9回目/私立/68校](岩手):12人 ・京都翔英[初出場/私立/79校](京都):12人 ・創志学園[初出場/私立/59校](岡山):12人 ・中京[14年ぶり6回目/私立/68校](岐阜):14人 ・尽誠学園[9年ぶり11回目/私立/40校](香川):14人 ・八戸学院光星[2年ぶり8回目/私立/65校](青森):17人 ・明徳義塾[7年連続18回目/私立/29校](高知):18人 ・秀岳館[15年ぶり2回目/私立/63校](熊本):18人 ※参考「週刊朝日増刊 甲子園2016」 写真/百楽兎
甲子園2016

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