【第98回甲子園】西日本の2校はベンチ入り全員が「野球留学生」
夏の風物詩とも言える、第98回全国高校野球選手権大会が7日に開幕する。昨年は高校野球100年周年の記念すべき大会と言われたが、今年は第98回大会であり、第100回大会で3年生を迎える1年生が甲子園に登場する年でもある。
注目の選手といえば、まずは「BIG3」と称される3投手、高橋昴也(花咲徳栄)、寺島成輝(履正社)、藤平尚真(横浜)だろう。高橋は6試合37イニングを投げて与四死球2とコントロールが緻密で、縦割れの変化球と最速152kmのストレートが魅力だ。寺島は最速149kmのストレートを武器に、精度の高いスライダーとフォークを織り交ぜる安定感で初めて甲子園の舞台を踏む。藤平は中学時代から全国大会で活躍し、縦横のスライダーとフォークのキレが抜群で、最速153kmの本格派右腕。神奈川大会の奪三振率11.91も目を見張る。
野手では、常葉菊川の栗原健が静岡大会でチーム最多の3本塁打を放っており、九鬼隆平を中心にチーム打率.405と破壊力を持つ秀岳館の対戦が初戦の好カードと言えそうだ。1年生から甲子園で活躍し、“バンビ2世”と呼ばれた東邦の藤嶋健人も最後の甲子園に「4番・ピッチャー」の二刀流で登場する。
そんななか毎年議論となるのが、甲子園常連校などが県外から選手をスカウトなどして集める「野球留学生」問題だ。親の転勤、通学の利便性など近隣県での「越境」もあるが、関西から東北や山陰に越境する選手が多く、高校野球ファンならずとも議論の的となっている。また、甲子園で”強豪”として数えられる高校の多くが、県外の有力選手をスカウティングしていることも知られている。今年は2012年以来のベンチ全員が「野球留学生」のチームが出場する予定だ。
2012年から日刊SPA!で記事を掲載して今年で5回目となる同調査。調査を続けた第94回以来、甲子園出場校に限っていえば「留学生」は増加の一途を辿っている。以下の記事とデータは各都道府県の代表校のベンチ入り18人の選手のうち、県外出身者の占める割合を表したものである。
予選参加校が多い愛知(190校)神奈川(188校)大阪(177校)と少ない鳥取(25校)や高知(29校)では明らかな”格差”が生じていることや、こうした「留学生」が各地域のレベルを押し上げていることも鑑みて、以下のデータをみていただきたい。今年は創部3年目で甲子園への切符を手にしたクラーク国際がダークホースとなりそうだ。10年連続で戦後最長を更新する聖光学院、吹奏楽部が盛んな市尼崎や出雲にも注目したい。 <取材・文/北村篤裕>
●2016県外出身者人数(ベンチ入り18人のうち)
※学校名[出場回数/公私立/予選参加校数]:県外者人数(出身中学県)
[なし]10校(昨年9校)
・大曲工[初出場/県立/47校](秋田)
・中越[2年連続10回目/私立/86校](新潟)
・富山第一[3年ぶり2回目/私立/47校](富山)
・市尼崎[33年ぶり2回目/市立/162校](兵庫)
・境[9年ぶり8回目/県立/25校](鳥取)
・出雲[初出場/県立/39校](島根)
・唐津商[5年ぶり5回目/県立/41校](佐賀)
・長崎商[29年ぶり7回目/市立/57校](長崎)
・大分[2年ぶり2回目/私立/45校](大分)
・嘉手納[初出場/県立/63校](沖縄)
[1~5人]13校(昨年19校)
・作新学院[6年連続12回目/私立/63校](栃木):1人=群馬1
・前橋育英[3年ぶり2回目/私立/65校](群馬):1人=栃木1
・東邦[2年ぶり17回目/私立/190校](愛知):1人=岐阜1
・鳴門[5年連続11回目/県立/31校](徳島):1人=兵庫1
・北海[2年連続37回目/私立/115校](南北海道):3人
・八王子[初出場/私立/128校](西東京):3人
・いなべ総合[6年ぶり2回目/県立/63校](三重):3人
・市和歌山[2年ぶり5回目/市立/39校](和歌山):3人
・広島新庄[2年連続2回目/私立/92校](広島):3人
・樟南[3年ぶり19回目/私立/73校](鹿児島):3人
・星稜[2年ぶり18回目/私立/50校](石川):4人
・履正社[6年ぶり3回目/私立/177校](大阪):5人
・智弁学園[2年ぶり18回目/私立/41校](奈良):5人
[9人以下]12校(昨年8校)
・木更津総合[3年ぶり5回目/私立/170校](千葉):6人
・北陸[24年ぶり3回目/私立/30校](福井):6人
・クラーク国際[初出場/私立/97校](北北海道):7人
・関東一[2年連続7回目/私立/137校](東東京):7人
・東北[7年ぶり22回目/私立/72校](宮城):8人
・花咲徳栄[2年連続4回目/私立/158校](埼玉):8人
・横浜[3年ぶり16回目/私立/188校](神奈川):8人
・佐久長聖[2年ぶり7回目/私立/84校](長野):8人
・常葉菊川[3年ぶり5回目/私立/112校](静岡):8人
・松山聖陵[初出場/私立/60校](愛媛):8人
・九州国際大付[3年連続7回目/私立/134校](福岡):8人
・常総学院[3年ぶり16回目/私立/100校](茨城):9人
[10人以上]14校(昨年13校)
・鶴岡東[2年連続5回目/私立/49校](山形):10人
・聖光学院[10年連続13回目/私立/78校](福島):11人
・山梨学院[5年ぶり6回目/私立/36校](山梨):11人
・近江[2年ぶり12回目/私立/52校](滋賀):11人
・高川学園[初出場/私立/59校](山口):11人
・日南学園[2年ぶり8回目/私立/48校](宮崎):11人
・盛岡大付[2年ぶり9回目/私立/68校](岩手):12人
・京都翔英[初出場/私立/79校](京都):12人
・創志学園[初出場/私立/59校](岡山):12人
・中京[14年ぶり6回目/私立/68校](岐阜):14人
・尽誠学園[9年ぶり11回目/私立/40校](香川):14人
・八戸学院光星[2年ぶり8回目/私立/65校](青森):17人
・明徳義塾[7年連続18回目/私立/29校](高知):18人
・秀岳館[15年ぶり2回目/私立/63校](熊本):18人
※参考「週刊朝日増刊 甲子園2016」 写真/百楽兎
『甲子園2016』 全国の朝日新聞記者が密着取材 |
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