高学歴・低所得者の絶望「学歴は役に立たない。むしろ捨てたい」
6/25発売の週刊SPA!の特集「35歳以上[高学歴・低所得者]の絶望」では、東大・京大・北大など旧帝国大から早大、慶応大など一流私大までの高学歴者たちが、「なぜ自分が低所得者になってしまったのか」を赤裸々に語っている。ここでは、その一例を紹介しよう。
「学生時代は運転手って学歴のないヤツがやる仕事だと思っていたんですけどね。見下していた自分がタクシー運転をしているなんて今でも不思議な気分になります」
そう話す福田洋平さん(仮名・39歳)は旧帝大の一つ北海道大学の出身。卒業後は地元の有名食品メーカーに就職するも「違う業種で働いてみたい」と転職。だが、待っていたのは、過酷な営業ノルマと36歳でのリストラという厳しい結末だった。
「すぐに仕事を探し始めましたが、北海道はずっと雇用情勢が悪く、ホワイトカラー系の求人は特に少なかったんです。何でもよかったんですけどね。それでも北大だし、書類で落ちることはなかったけど、学歴だけで採用されるほど甘くなかった」
失業保険が切れた後は工場の契約作業員で食いつなぎ、再就職を目指していたが、現実的に希望の職種は難しいと判断。タクシー会社は妥協の末の決断だった。
「車の運転は好きでしたし、何より比較的簡単に就ける仕事でした。年収はサラリーマン時代より150万円近く下がったけど、選り好みできる状況じゃないですから」
ただし、履歴書に北大卒と書くかは最後まで悩んだという。
「会社は学歴不問でしたし、大学のイメージで“プライドが高そう”と見られるとマズいと感じたので。でも、経歴詐称もバレると問題だし、結局正直に書きました」
難なく採用されたが、同僚には高卒だと嘘をついているという。
「同僚の運転手には高学歴の人間にいい印象を持ってない人も多いんです。自分の経歴を打ち明けて、せっかく築いた良好な人間関係をギクシャクさせたくないですから。大学生活は楽しかったけど、学歴としては役に立ってない。むしろ、捨てたいくらいです」
ほかにも、一橋大学出身で年収100万円のポスドク、早大出身で年収190万円の社労士、京大出身で年収90万円の運送バイトなど、「高学歴を有効活用できず、低所得にあえいでいる人々」が続々登場。果たして、学歴社会はすでに崩壊しているのか!? <取材・文・撮影/週刊SPA!編集部>
「アベノミクスとか騒いでる割には給料がまったく上がる気配がねぇ!」などと居酒屋でクダを巻きがちな昨今。「こんなことなら学生時代にもっと勉強して一流大学に入っとくべきだった!」と、かつての自分を悔いてしまう人も少なくないはずだ。
しかし、高学歴の人たちの中にも、低所得にあえいでいる者は存在する。頑張って猛勉強をし、受験戦争を制して高学歴を手にしたのにもかかわらず、なぜ彼らは低所得になったしまったのか?
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