腕相撲とアームレスリングは、柔道と空手ぐらい別物の競技
―[知られざる偉大な日本人王者大集合]―
なでしこジャパンのW杯優勝は確かに素晴らしかった。でも、日本にはまだまだすごい人たちがいる。世間ではあまり知られていないけど、実は世界で活躍しているマイナー競技の“偉大なチャンピオン”たち。その奮戦ぶりと日々の鍛錬、競技への情熱を、しかと見よ!
【アームレスリング】
山本祐揮さん(10年世界選手権86kg以下級優勝)
◆手を握った瞬間、相手の弱点が直感的にわかるようになってきた
昨年12月にウクライナで開催されたアームレスリングの世界選手権にて、86kg以下級・左腕部門で見事優勝した山本祐揮さん(27)。
「以前父親が経営していた焼き肉屋で、僕と腕相撲をして“お客さんが勝ったら全額無料“というサービスをしてたんです。そこでアームレスリング選手だというお客さんにもあっさり勝ってしまって、『アームレスリングやってみないか?』と誘われたのがきっかけ」
それが08年初頭。学生時代は柔道部だったが「争いごとが好きじゃなかった」という彼にとって、勝負後も対戦相手と談笑できるアームレスリングは魅力的だった。
「腕相撲とアームレスリングは、柔道と空手ぐらい別物の競技なんで最初は戸惑いました。一番の違いはタッチパッドがあること。レンガ大のパッドに相手の手を押し付けた時点で勝ちなんで、スタート直後の瞬発力が勝負なんです」
いくら腕力に自信があっても、自分の力を一切出せないまま負けてしまうことも珍しくない。
「どの方向に押し倒すかなどの戦法も十人十色。僕はテクニック面ではまだまだ未熟ですが、最近は手を握った瞬間、その相手の選手はどの方向に押し倒されると弱いかっていうのが、直感的にわかるようになってきましたね」
凄みを増していく山本さんの左腕。だがアメリカには彼が優勝した世界大会よりもさらにレベルが高いプロリーグが存在するという。
「中学生と大人の大会ぐらいの違いがあると言われてます。だからまずは国内大会で無差別級を含む3階級制覇が目標。それを達成したらプロリーグに挑戦します!」
― 知られざる偉大な日本人王者大集合【7】 ―
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