更新日:2024年12月28日 13:04
スポーツ

「私が現役だったら…」今年のガールズグランプリは一強?元女王の高木真備が見どころを解説

 ガールズケイリンの人気筆頭格として、1つの時代を牽引してきた高木真備さんに、競輪にまつわる話を語ってもらう連載企画。高木さんは2021年の「ガールズケイリングランプリ」で見事に優勝。年間賞金女王の称号を獲得し、「やり切った!」という気持ちで選手を引退。現在は保護犬・保護猫活動、および競輪番組での解説者などの活動を行っている。

今年のガールズグランプリは一強?

高木真備さん

元ガールズケイリン選手で、2021年「ガールズグランプリ」で優勝した高木真備さん

 12月29日(日)、「ガールズグランプリ2024」が開催される。今年の注目選手は、誰もが口をそろえるように佐藤水菜選手。ナショナルチームとしてパリオリンピックに出場した彼女の実力は、一線を画すレベルと言っても過言ではない。  圧倒的一強とも言える今年のガールズグランプリにおいて、他の選手はどのような走りをみせるのだろうか。高木さんも「佐藤選手が強いというのは、どこのメディアでも言われていますよね(笑)。私も本命は佐藤選手です」と話す。 「でも、私の競輪の好きなところは、たとえタイムトライアルで勝てない選手であっても、技術と展開次第では強い選手に勝てることがあるところです。もちろん実力的には佐藤選手が強いですが、常識を破るような動きをする選手がいると、展開的にわからなくなってくると思います」  ただ、その年の集大成であるグランプリで“常識を破るような動き”をすることは難しい。ガールズグランプリに5回も出場している高木さんだからこそ、その難しさが痛いほどわかるようだ。 「男子のようにラインがあれば強い選手に対抗できる可能性は十分ありますが、ガールズはラインがないので、大胆な動きをすることは難しいと思います。しかもグランプリは全員が『優勝したい』と思っているレース。もし番狂せを狙うような動きをしたら自分の着を下げてしまう可能性も高まります。大舞台の一発勝負の難しさをわかっているので簡単には言えないのですが……。ただ、競輪祭の決勝にヒントがあったかなと思います

競輪祭決勝の久米詩選手の動きがヒントに

 今年の11月21日に行われた競輪祭の決勝。ここでも佐藤選手が一番人気だったが、高木さんは「このレースにおける久米詩選手の動きに注目してほしい」という。 「映像を振り返ってみてほしいのですが、打鐘あたりで久米詩選手がフタをするように佐藤選手と並走しました。その瞬間、佐藤選手は引くかどうか、少し迷ったんじゃないかなと思います。その間に先頭グループと車間が空き、佐藤選手の動きがわずかに遅れるという場面が生まれました。結果的には、さすがの実力で佐藤選手が優勝しましたが、大差での勝利ではなかったです。久米選手があのタイミングをもう少しズラしていたら、佐藤選手の優勝はなかったかもしれません」  もちろん、佐藤選手以外の誰かに勝ってほしいわけではなく、自分が優勝したいのがグランプリ。久米選手のような動きが“グランプリでできるか”はわからないが、高木さんは「私がまだ現役だったら、こういう動きをしたいなと思いました」と話した。 「私は世界の自転車競技に参加したことがないですが、世界の自転車競技と日本のガールズケイリンは同じようで少し違うのではないかなと、見ていて感じました。だからこそ、一年間通してガールズケイリン選手一本で走っている選手が有利になることもあると思います。そういう利点を活かして戦えるかどうかも見どころの一つです」
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佐藤選手が負けるとすれば…
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Web編集者兼ライター。フリーライター・動画編集者を経て、現在は日刊SPA!編集・インタビュー記事の執筆を中心に活動中。全国各地の取材に出向くフットワークの軽さがセールスポイント
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