「体操パワハラ問題」をわかりやすく解説。宮川選手と女帝とのバトルの行く末は?
一方で、千恵子氏に対しては批判的な声が……。
「選手として芽が出るまでには長い年月を要するのですが、幼い子を指導するのに高額な月謝など頂けない。『赤字でも、この子が代表選手になれば経営はよくなる』という発想の体操クラブは多いんです。だから、この業界で“引き抜き”はご法度。ところが、千恵子先生の朝日生命体操クラブには外から引っ張ってきた選手が多数いるんです」(池谷氏)
千恵子氏は否定し続けているが、過去に引き抜きはたびたびあったというのだ。宮川選手も会見で「2020」が、引き抜きの場になっていた可能性を匂わせていた。
「2020強化選手は協会指定コーチのもとNTCで自由に練習できるのですが、そのコーチの多くが朝日生命体操クラブの所属。千恵子さんの息のかかったコーチです。ずっとお世話になっているコーチと練習したいのに、2020強化選手になって優れた成績を収めたら、同クラブの実績にされる可能性がある。だから、あえて2020を避けている子もいるんです」(体操関係者)
背景には不透明な協会の人事も。
「千恵子さんの付き人兼運転手をやっている奥主貞子さんは協会の審判委員会委員長。代表選考の基準となる選手の成績を左右しかねない人物が、付き人という時点で異常です。’91年には千恵子さんが強化部長と主任審判を兼務し、光男さんが競技委員長を務めるなかで、朝日生命体操クラブ所属選手に対して不自然に有利な点数が出ていたことから、複数選手が出場をボイコットする騒動もあったのに」(同)
さらに事態を悪化させているのは、あからさまな擁護派の存在とか。
「テレ朝コメンテーターの宮嶋さんは千恵子さんと古い付き合いで、一貫して宮川選手に批判的。隠し録りの音声データを報ステで公開したのも、宮嶋さんのアイデアと言われています。ただ、あまりに偏ったコメントで、そのしわ寄せが協会に対する反発として出ています……」(同)
果たして、宮川選手の訴えは協会に届くのか? 池谷氏は「紗江の言っていることがすべて真実であれば、協会を変えること以外に危機的状況に陥った日本体操界を立て直す方法はない」と話す。今年になってアマチュアスポーツの“闇”が浮き彫りになったが……体操界にもメスが入るのは間違いなさそうだ。
●女帝によるパワハラの法的責任は問えるか?
大本総合法律事務所の大本康志弁護士によると「職務上の地位・権限を逸脱・濫用し、客観的見地から通常人が許容しえる範囲を超える有形・無形の圧力があったと見なされれば、民法上の不法行為に当たる」。ただし、「職場内の問題を前提にしているので、明確な上下関係も雇用関係のない今回のケースは責任を問えない可能性もある」とか
写真/時事通信社 産経新聞社
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