7位 オリックス・バファローズ 68点 ↑
バラエティに富んだ個性派指名
4位以降も2人の社会人左腕を補強して、先発とリリーフ陣に厚みをもたせた。さらに、課題だった二遊間候補も1位の太田遊撃手だけでなく、5位で宜保 翔遊撃手(未来沖縄高)を加えた。左打ちの内野手や若い捕手は獲得しなくてよいのか?という疑問は残したものの、全体的にチーム力を底上げした印象。会心の指名は、やはり5位の宜保遊撃手に注目したい。とにかく足が速く肩も強いなど身体能力が高いだけでなく、相手の守備位置が後方だとわかるとすかさずセーフティーバントを決めるなど、視野も広い。センスと運動神経の塊であり、今宮健太(SB)のような内野手に育ってもらいたい。
次世代を担う人材を今年もゲット
4位以降では、右打ちの野手が不足するところを2人の強打者を指名して補った。5位の田中法彦投手(菰野)は、小柄ながら150キロを超す速球が持ち味。投げっぷりがよく、短いイニングならば比較的早い時期から出てきそうだ。会心の指名は、やはり4球団競合で獲得した小園遊撃手になるだろう。次世代を担うショートの獲得は、カープ数年来の補強ポイント。そこを埋められる人材が、ようやく入団してくれることになりそうだ。野球を深くまで探求できるプレースタイルは、未来のカープの屋台骨を支える存在になってくれるはずだ。
9位 横浜DeNAベイスターズ 60点 ↑↑
補強ポイントに即した指名を堅実に
4位以降は例年通り、将来性の高い高校生投手を今年も獲得。人数の絶対数が少なかった捕手を指名し、2位の伊藤二塁手同様に6位でも右打ちの二遊間候補となる知野直人遊撃手(新潟アルビレックスBC)を獲得。補強ポイントを的確に指名できたのが、前回よりもプラス評価。会心の指名は、1位の上茶谷投手。どうしても計算できる右の先発投手を加えたかったチーム事情があり、そこを一回抽選を外しながらもゲットできたことは大きい。1年目から二桁前後を期待でき、新人王争いに絡んでくること必至である。
10位 東京ヤクルトスワローズ 50点 ↑
現有戦力との競争を煽る指名に
4位以降では、補強ポイントであった右の外野手や即戦力候補のリリーバーの獲得を行い、課題に向き合うことができたのがプラス材料。即チームの大幅な底上げに繋がりそうな選手の補強よりも、現有戦力との競争を促す指名に終始したのではなかろうか。会心の指名は、4位の濵田太貴外野手(明豊)。こんなに腕っぷしの強い高校生は見たことがなく、バットを振れるという意味では今年NO.1の強打者だろう。それでいて当てる能力があり、右方向にも長打を打てるなど脆さもない。ヤクルトの強力打線に、また新たにヤバい選手が加わった。
11位 読売ジャイアンツ 48点 ↓
育成に舵をきった振り切れた指名
4位以降も高校生投手を2名に、長距離打者としての可能性を秘めた選手を指名。完全に育成重視指名を最後まで貫いた。チームの課題は、ドラフト以外の方法で補おうという考えなのかもしれない。その辺はリスクを抱え込んだ形になり、前回よりも若干のマイナス評価に。会心の指名は、育成枠で指名した山下航汰一塁手(健大高崎)。守備には難があるが、柔らかさと高校通算75本塁打の長打力は、本会議で上位指名された選手たちにまったく引けを取らない。ポジションの問題さえクリアできれば、育成枠からチームの主軸へと夢のあるストーリーも現実味を帯びてくる。
12位 阪神タイガース 45点 ↑
どうしても欲しかった有望外野手
上位3人までは、センターラインの強化に取り組んだ。しかし、4位以降は一転して投手中心の指名に。独立リーグ所属の湯浅京己投手(富山GRNサンダーバーズ)も高卒1年目の選手で、将来性を重視してのもの。そんな中、4位で指名した齋藤友貴哉投手(Honda)を加えた意味は大きい。ただでさえ若くて活きのよい投手が揃っている上に、そのメンバーを刺激できるだけの人材を確保できた。会心の指名もこの齋藤で、1年目のキャンプやオープン戦からローテーション争いを繰り広げてくれることだろう。社会人2年目の今年はやや調子を崩してしまったが、実力的には社会人屈指。順調に過ごしていれば上位指名が有力だったはず。うまく立て直すことができれば、先発入りどころか新人王争いにも十分に加わってくるだけの力を持っている。