スポーツ

2018ドラフト会議「下位指名の“お宝”はコイツだ!」

 12球団とファンが一喜一憂した運命のドラフト会議も終了。1位では根尾遊撃手と小園遊撃手がともに4球団、藤原外野手が3球団競合し、「くじ引き」という名の熱いドラマが今年も繰り広げられた。

 しかし、ドラフトの醍醐味は抽選だけにあらず! プロ野球界に指名されるほどの選手は、誰もが常人離れしたポテンシャルを秘めており、下位指名から球界を代表する名選手になった例などごまんとある。

 今でも語り草なのは、’91年のドラフト4位。なんとイチロー(オリックス)、金本知憲(広島)、中村紀洋(近鉄)、桧山進次郎(阪神)と、その後、チームの顔となるスターが揃い踏みしていたのだ。

 そこで、今年のドラフト下位指名のなかでも、特にロマン溢れる注目株をアマチュア球界に精通する蔵建て男氏にピックアップしてもらった。


投打に圧倒的なパワー!

勝又温史投手(日大鶴ケ丘‐DeNA4位)

 今年の高校生の中でも、試合序盤から140キロ台後半の球を投げて、その勢いが終盤まで落ちない体力や筋力がある選手は、この勝又しかいない。制球の粗さや身体への負担の大きなフォームで、荒削りであることは否めないが、それでも欠点を補って余りある高い資質を秘めている。また、打者としても破格の飛距離を誇る逸材。投手として才能を開花できなくても、長距離打者として大化けする可能性を秘めている。0か100かといった極端なタイプだが、無限の可能性を秘めたロマンの塊だ。

とにかく打球がエグい!

水谷 瞬外野手(石見智翠館‐SB5位)

 192センチ91キロと、破格の体格を誇るハーフ選手。とにかく技術云々を超越したパワーの持ち主で、中国地区屈指の強打者として知る人ぞ知る存在だった。打球勘が悪く守備には不安はあるものの、大型ながら俊足と走力も兼ね備える。本格的な野球環境に触れた時に、どんな化学反応がみられるのか注目して頂きたい。同タイプには日本ハムに4位指名された万波中正外野手(横浜高)がいるが、万波は肩の強さ、走力は水谷に分がある。パワーは、ともに甲乙つけがたい。

希少な「打てる捕手」の可能性

牧野翔矢捕手(遊学館‐西武5位)

 ドラフト直前までまったく盲点となる選手だったが、チェックして驚いたのがこの選手。捕手としての総合力に優れ、大きな欠点が見当たらない上に、打者としては決して長距離打者ではないが、胸のすくような潔いスイングでスパンッ!とボールを捌く痛快なバッティングが持ち味。打撃技術は相当に高く、プロでも希少価値の高い「打てる捕手」としての可能性を感じさせてくれる隠し玉的存在だ。

才能より努力でのし上がった生命力

渡辺佳明遊撃手(明治大‐楽天6位)

 横浜高校前監督である渡辺元智氏の孫という話題ばかりが先行し、プレーヤーとしての評価は、決して高い選手ではなかった。たしかに長打力や肩の強さ、俊足といった特別な才能に恵まれているわけではない。しかし、年々プレーの幅を広げ、最終学年では明治大のショートを任されるまでに成長。打っては最後のシーズンに六大学の首位打者を確定的にする活躍を見せた。まさに、「努力が才能を上回る瞬間」を垣間見た気がする。そして、彼が持っているのは「努力できる才能」だけではない。注目すべきは、天才的に柔らかいリストワークだ。これだけでプロで飯を食べていけると言っても過言ではないほどの絶大な才能である。高校時代プロが見向きもしなかった選手が、最高峰の世界でレギュラーを掴む日も、遠くはないかもしれない。

蔵建て男氏●ドラフトサイト「迷スカウト」の管理人として、アマチュア野球選手のスカウティングレポートを20年余りにわたり作成。WEBを中心に活動しながら『野球太郎』など専門誌にも執筆するドラフトライター





おすすめ記事