雑学

「抹茶」で認知症予防が期待できる?臨床試験で「良い結果」が

抹茶 日本人が愛する抹茶。この伝統飲料に新たな効用があるという。大手飲料メーカーの伊藤園は、抹茶の新たな効用として「認知症予防」を期待して研究を強化しているという。それは、いったいどういうことか?

「 ’17年9月から抹茶を継続的に摂取し、それが認知機能にどのような影響を及ぼすかという臨床試験を実施しました。すると、認知機能の一部が改善することがわかったのです」

 そう話すのは、伊藤園中央研究所に所属する瀧原孝宣氏。抹茶と認知症予防の関連性の一論を示す研究結果が導き出せたという。

「50歳~69歳以下の健常な男女62名をAグループとBグループに分け、Aグループには抹茶の入ったカプセル(抹茶量計2g)、Bグループには偽薬(着色して抹茶に似せた食品の入ったカプセル)を12週間飲み続けてもらいました。
 そして、その間に認知機能を検査するテスト(パソコンを使った言語記憶、視覚記憶など10種の認知機能テスト)を4週ごとに実施しました。 結果、抹茶入りカプセルを摂取し続けたAグループの方が、Bグループよりも実行機能が向上するという結果が確認できたのです」(瀧原氏)

 一般的に認知症と呼ばれる症状には、物事を忘れる「記憶障害」、自分の置かれた状況を把握できなくなる「見当識障害」、以前は日常的にできていた行為ができなくなる「失行」などさまざまな症状がある。抹茶はそうした症状のなかで、計画を立てて順序良く物事を行うことができなくなる「実行機能障害」の予防に向けて期待される研究結果が表れたというわけだ。

「実行機能障害の具体的な症状例には『食事の準備ができなくなる』『電化製品の使い方がわからなくなる』などがあります。認知症の当事者にとって、今までできていたことができなくなるというのは深刻な問題。これが抹茶で予防できるのかどうか、今後も研究していく必要はありますが、今のところ良好な結果が出ています」(瀧原氏)

 厚生労働省によれば、2025年には65歳以上の認知症高齢者数が約700万人になると予測。もし抹茶が認知症予防になるのであれば、これほどの朗報はない。

認知症

2025年には、認知症患者数は65歳以上の高齢者の約5人に1人を占める見込み

「抹茶に含まれる『テアニン』が、認知症の改善に有効だと現段階では考えられています。お茶にはカテキン、テアニンなど、さまざまな成分が含まれていますが、抹茶は特にテアニン量が多いことが特徴です。テアニンはうまみ成分の一種であり、ストレスの軽減や、睡眠の質改善、そして、うつ症状や統合失調症などの改善にも効果があるという臨床研究結果も出ています。今回、このテアニンに代表される抹茶成分の新たな効果として、『認知症における実行機能の向上にも有効である』ということが証明されたと言えるでしょう」(瀧原氏)

 海外ではすでに健康食品としても人気だという抹茶。「Matcha」として、アメリカを始め、イギリス、フランスなどの欧米諸国で、スーパーフードとして人気に火が付いている。抹茶の新たな効用を研究していた伊藤園もグローバル展開を目論む。

抹茶 女性 抹茶の研究は始まったばかり。科学的、医学的に認知症予防が証明されるのはこれからなのだろう。だが、1日1杯の抹茶で認知症予防になるかもしれないなら、今から抹茶を飲んでおくのも悪くない。

<取材・文・写真/日刊SPA!取材班>


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