コロナ特需で売上額が3億増のせっけん会社。大っぴらには喜べない…
新型コロナウイルスの影響により倒産する企業や失業者が増える一方で、恩恵を受けている業界も存在する。その最たる例が、せっけんなどを販売する化学工業メーカーだ。殺菌・消毒用せっけんなどの需要はコロナ禍で急増。コロナ倒産や失業が話題に上がりやすいなか、特需業界の人間は嬉しい悲鳴を上げている。
「会社名を伏せてくれるなら」と取材に応じてくれたのは、せっけんメーカーで管理職を務める山川さん(40代・仮名)。山川さんの所属する会社は、東京に本社を置く中小企業だ。戦前から稼働している老舗ブランドだが、TV CMなどの広告は一切出しておらず、長年の信頼とクチコミだけで業績を保ち続けている。
「今年の1月から3月までの間に、売上が3億も伸びました。うちは小さい会社なので、短期間にそれほどまでの売上は普段なら出ません。ひと月の出荷ケースも数千ケースと、去年とは比べ物にならないくらい需要があります」
会社の従業員は100名にも満たず人手不足のため、提携会社の社員を借りて稼働している状態だ。
「一般社員にはローテーションで休みを取ってもらっていますが、僕のような管理職の人間はほぼ休み無しで働いています。週に1回休めるかどうか……。僕は他県からの単身赴任なので、週末に家族のもとへ帰られないのはつらいですね」
コロナ特需の勢いは衰えることなく、今も取引先の企業や販売店からの受注が絶えない。売上が増加したおかげで、数千万から数億する工場機械も買えるようになった。
「社長に同行して機械メーカーへ行ったとき、値段も見ずに『コレちょうだい』って決めていました(笑) 今までなら、他社と比較して少しでも安く買えるように値段交渉していましたが……。買えるうちに買っておこうって感じなんでしょうね」
需要急増で激務な一方、社員への還元も充実しているという。
社員は年明けからほぼ無休。今までにない好景気
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福岡県出身。フリーライター。龍谷大学大学院修了。キャバ嬢・ホステスとして11年勤務。コスプレやポールダンスなど、サブカル・アングラ文化にも精通。X(旧Twitter):@0ElectricSheep0、Instagram:@0ElectricSheep0
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