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マクドナルドはUber Eats錬金術の聖地?“マック地蔵”を「江ノ島」で実践

 僕はUber Eatsの配達で旅費を稼ぎながらの自転車旅をしている。東京発の沖縄行きである。所持金3万円で東京を出発し、3日目は鎌倉にいた。  この日も午前9時から配達を開始。泊まっているゲストハウスを自転車で出ると、相模湾沿いに西に向かって走った。前日は東の横須賀の丘陵地帯ばかり走らされてクタクタに疲れ、その割には大して稼ぐことができなかった。わずか3659円である。そのため、横須賀からはなるべく遠く離れておきたかったのである。
小林ていじ

所持金3万円、「Uber Eats」の配達で旅費を稼ぎながら東京から沖縄まで自転車で旅する筆者・小林ていじ(撮影/藤井厚年)

 ――さておき、このエリアでも稼ぐコツがあるらしい。マクドナルドの前でひたすら配達リクエストを待つ、Uber Eats配達員の間では「マック地蔵」と呼ばれる技だ。

マクドナルドで「マック地蔵」に遭遇

マクドナルド

江ノ島を目の前に臨むマクドナルド江の島店

 左手の海に江の島が見えてきたところで最初の配達リクエストが入った。受け取り店舗はマクドナルド江の島店である。江の島店といっても島までは渡らない陸側の店舗である。そこからは約5分ほどで店に着いた。前日は店に商品の受け取りに行くまで30分もかかるような配達ばかりだったので、店まで約5分というのは非常にありがたく感じる。商品を受け取ると、そこから約10分の海沿いのマンションに届けた。  最初の配達を終えると、また同じマクドナルドの前に戻った。Uber Eats配達員の間ではよく知られる、マクドナルドの前で待機する「マック地蔵」という技を試すことにしたのである。配達リクエストがもっとも多いのはマクドナルドなので、その前で待機していればリクエストが入りやすくなるのだ。
ハンバーガー

マクドナルドのハンバーガー

 店の前の腰かけに座って待機していると、しばらくして少し離れたところに別のひとりの男が座った。その傍にはウーバーの四角い黒バッグが置かれている。この地に来てからはじめて目にする僕以外のUber Eats配達員である。そして彼もまたマック地蔵の技の使い手らしい。同じ店の前にこの技の使い手が2人もいてはリクエストを受けられる確率が必然的に半分になってしまうので、僕はそこを離れた。
片瀬江ノ島駅

竜宮城のような外観の片瀬江ノ島駅

 北の藤沢のほうに向かって自転車を走らせた。そのあたりもUber Eatsの配達エリアになっているはずだった。藤沢駅に近づき、通りにビルが増えて賑わいが出てきたところで次の配達リクエストが入った。受け取り店舗は駅前の大戸屋、配達先は駅から少し離れた住宅地のマンションである。  その後もこの藤沢エリアで立て続けにリクエストが入り続け、藤沢駅と住宅地を何度も往復した。横須賀エリアと違って坂道が少ないので配達はかなり快適である。午後7時頃まで稼働し、5830円稼ぐことができた。  4日目は朝から雨だったので配達を休むことにした。傘をさしてゲストハウスの近くをぶらぶらと散歩したり、オシャレなカフェでパンケーキを食べたりしてのんびりと一日を過ごした。

雨でiPhoneの様子がおかしくなる

 台風が近づいてきている影響で翌日の5日目も雨だった。どうしようか少し迷ったのだが、レインコートを着て配達することにした。そう何日も仕事を休めるほど僕には金銭的余裕がないのである。  ゲストハウスを出て藤沢の方向に向かった。藤沢駅の近くまで来たところで最初の配達リクエストが入った。受け取り店舗は藤沢駅前のケンタッキーフライドチキンである。商品を受け取ってそれを住宅地のアパートに届けた。  このあたりからiPhoneの様子がおかしくなりはじめた。Uber Eatsの配達アプリをオンにしているとバッテリーの減りが凄まじく早くなるので、iPhoneにはモバイルバッテリーを繋ぎっぱなしにしていた。それなのに充電マークが付いていない。おそらくライトニング端子と差し込み口が雨で濡れて接触不良を起こしているのだろう。タオルでよく拭いてから挿しなおすと充電マークは付くのだが、少しするとまた消えてしまう。  そんな状態で次の配達リクエストが入った。充電マークが消え、1%ずつ着実に減っていくバッテリーに軽い恐怖を覚えながら店に向かった。Uber Eats配達員にとってiPhoneは生命線そのものである。その充電ができなくなるというのはスキューバーダイビングをしているときに酸素ボンベから酸素が吸えなくなるようなものなのだ。
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