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美人トラッカーの眠気対策は「大声で叫ぶこと」。眠気と常に戦うプロの知恵

タクシー運転手は缶コーヒーが最強と語る

 トラックとは違い、乗客がいるために声を出すなどの眠気対策が取れないタクシードライバーは、どんな眠気対策をしているのか。都内でタクシー運転手をしている多田さん(仮名/50代男性)に伺うと、乗客を乗せている時は「滅多にありませんが、歯を食いしばって目的地まで頑張ります。『お客様が降りるまであと10分』などと思えば何とかなるような気もします」とのこと。  具体的な対策はなく、耐え忍ぶばかりという苦労が察せられる。乗客がいなければ、他にも対策を打つこともできるようで「表情筋を動かしてみたり、一旦止めてストレッチをしたりします。あと、大声で叫んでみたり(笑)」と、誰もいない場合、多くのプロドライバーは車内で叫んでいるようだ。  タクシードライバーの中には、隔日勤務という形態で1回の勤務が20〜21時間になる人もいて、多田さんもその一人。眠気との戦いは免れないことは想像に難くないが、「眠くなった時は休憩をとり仮眠できるので、タクシーはそれができる仕事なのでありがたい」という。慣れてくれば睡眠をうまくコントロールしながら働けるようだ。  一般ドライバーの中には、眠くなったら眠気覚ましドリンクに手が出る人もいるだろう。しかし、多田さんは「眠気覚ましドリンクを飲んでいたことはありますが、効果は缶コーヒーと変わらないので、今はやはり缶コーヒーですね」と話す。後述するが、こうした甘みのある眠気防止ドリンクに、あまり有用性を感じないプロドライバーは多い。  さまざまな対策を講じる多田さんだが「仮眠に勝る対策はありません」と言い「30分くらいシートを倒して仮眠します」と、KAHOさん同様に短めの仮眠でもしっかりと効果があると話す。

仮眠は15〜20分が最適か

 さらに多くの乗客を乗せ、長距離の運転もある観光バスの運転手はどうだろう。北陸地方を中心に東北や関西まで貸切バス(観光バス)を運転して18年の梅井さん(仮名/40代男性)は、眠気が来ないようにするために「コーヒーやカフェインの入ったものを飲んでいます」という。  また、梅井さんは「栄養ドリンクなど甘みのあるものは逆に眠くなるので摂りません」と、タクシードライバーの多田さんと異口同音。さらに「普段より速度を1割ほど落として走ると、疲れにくくなりますね」という。  それでも予防だけでは太刀打ちできない睡魔もあるだろう。そうした環境の中で「高速道路、ふっと一瞬記憶が飛ぶ事がありました。事故にならずに済みましたが、紙一重ですね」と、恐ろしい経験もあったという。  どうしても眠くなってしまった時は「コーヒーやガムなど一般的な対策ですね。あとは、皮膚をつねったりします」とのことで、なかなかはっきりと効果的な対策がないことも伺える。  どうしても眠たい時の仮眠についても伺うと、梅井さんは「長く寝てしまうと、かえって調子が悪くなりますね。なので、授業中の居眠り程度で15分か30分くらいがいいと思います」と教えてくれた。  さまざまな眠気防止、対策グッズが出回る中、プロドライバーたちによると、「短時間の仮眠」がもっとも有効であることがわかった。また、意外にも甘みのある眠気防止ドリンクは避けられていることも見えてきた。一般ドライバーも、運転中の眠気対策の参考にしていただければ幸いだ。 <取材・文/Mr.tsubaking>
Boogie the マッハモータースのドラマーとして、NHK「大!天才てれびくん」の主題歌を担当し、サエキけんぞうや野宮真貴らのバックバンドも務める。またBS朝日「世界の名画」をはじめ、放送作家としても活動し、Webサイト「世界の美術館」での美術コラムやニュースサイト「TABLO」での珍スポット連載を執筆。そのほか、旅行会社などで仏像解説も。
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