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リモート会議中にパリパリ、ポリポリ、ゴクリ。油断が招いた悲劇

 コロナ禍が1年以上も続き、人々の働き方もガラリと変わった。国や自治体が推奨する「テレワーク」にもすっかり慣れ、チャットツールなどを使った「リモート会議」にも違和感をもたない人が多くなった印象だ。
リモート会議

※写真はイメージです(以下同)

 プロフィール写真にアバターを使ったり、音声のみで参加するなど、顔出しせずにやりとりする機会も増え、リアルの会議や打ち合わせに比べて「安心」「チョロい」などと感じている人も多いかもしれない。だが、油断してはいけない。その「慢心」が、思わぬ悲劇を生み出す場合だってあるのだ。

リモート会議中にパリパリ、ポリポリ、ゴクリ

「会議中、どこからかパリパリ、ポリポリ……と変な音が聞こえてくるんです。最初は誰も聞こえないふりをしていたのですが」  東京都内の不動産会社勤務・斉藤正文さん(仮名・30代)の会社でも、会議はもっぱら「リモート」になったが、その度に聞こえる謎の「パリパリ音」はいつまでも消えることはなく、ついにはムシャムシャ、ゴクリ……なんていう咀嚼音までハッキリと聞こえるようになった。 「いろんな検証をしたところ、ある女性上司(40代)のアカウントから発せられている音だと分かりましたが、誰も注意できません。彼女は普段からお菓子は食べない、間食もしないと公言しており、美容にも相当気を遣っている人。明らかにポテトチップスなどのお菓子を頬張っている音ですからね。マイクオンになってますよ、と言えればいいだけなんですけど」(斉藤さん)  と、これくらいなら「おっちょこちょい」だと笑えるレベルの話だろう。しかしリモート慣れで地位や名声を失いかけた、という深刻なパターンも。

トラブル勃発で突然の出社、上司は飲酒で千鳥足

 都内在住の通信会社勤務・中本孝一さん(仮名・40代)の上司は、テレワークに移行してから「飲酒疑惑」を疑われるようになっていた。 「だって会議のたびにプシュッて音がするんですよ(笑)。ひどい時にはカラン、コロンと水割りか何かを作っている音まで聞こえる。もともと酒好きだし、仕事はしているからお咎めなしだったのですが……」(中本さん、以下同)  やはり悪事はバレるもの、なのか。ある日、契約先企業のシステムにトラブルが発生し、中本さんを含めた技術スタッフが急遽現場に出なければならなくなった。  トラブルの規模が比較的大きく、上司などの責任者も出社し対応にあたることになったのだが、つい先程までリモート会議をしていた当の上司がいつまで経ってもやってこない。すると……。 「わざわざダッシュで会社にやってきて、顔は真っ赤で汗だく。酒を飲んでいたのを誤魔化すためかもしれませんが、明らかに酒臭く、足取りもフラフラ。さすがに上役にバレて、かなり怒られたようです」  見えていないから、気づかれないから……とやっていたことが原因で、信用も台無しに。とはいえ、身から出た錆であることは否めない。本人にはなんら罪の意識もないが、周りを引かせてしまい、地位を追われそうになる人も。
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画面共有で垣間見られた“人格者”の裏の顔
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