2019年3月。大勢のファンに惜しまれつつもAV女優としての活動に終止符を打った、あやみ旬果。現役時代にはトップセールスを次々と記録、バラエティ番組からアイドルユニットでの活動と、AV以外のフィールドでも注目を集め、絶対的存在を確立。引退直前にはストリップの名門「浅草ロック座」の舞台に立ったことは、いまだファンの間では伝説となっている。 　そんな彼女がこの12月、浅草ロック座に電撃復帰を果たした。超ビッグネームの再降臨に湧いた客席を、彼女はどう見ているのか。我々は2日目公演を終えたあやみ旬果を直撃した。 ――4年ぶりとなる舞台ですが、率直な手応えは？ 　あくまで今の時点の感覚ですが、前回よりも体力は残っているかなと思います。通常、ロック座の興行は通常は1日5公演ですが、今はコロナ禍ということで4回公演になっているからかもしれませんが……。 　前回は途中で腰を痛めてしまって。数日間、お休みしたことがあるんです。そのときは腰の痛みよりも、悔しさと周りの方への申し訳なさで胸がいっぱいになりました。 　そんな反省を踏まえて今回は、振り付けを覚える前にストレッチや筋トレからスタートして、腰に負担のかからない動き方を指導してもらったんです。ひょっとしたらその成果が出ているのかも。 ――今回の電撃復帰が決まったのは、いつ頃だったんですか？ 　10月頃ですね。5月に上原亜衣さんのトークショーでロック座にお邪魔したんですが、イベント後に関係者の方から「また出てくれない？」とオファーされたんです。 　でもすぐには答えが出せず、結局お返事ができたのが10月になってしまって。 ――たしかに「はい、やります！」とはなかなか即答できない話ですよね。 　はい。というのも前回、「最初で最後のストリップ公演！」と大々的に言っちゃっていたのに、また出てくるのはなんだかバツが悪い気もして。 　あと、ストリップのファンの方ってとても熱心じゃないですか。「浅草ロック座が好き！」という昔からのファンも大勢いるし、なかなか覚悟を持てなくて。家でゲームをしていても「ああ、どうしよう……」とずっと考えていましたね。 　私個人の話でいえばAV引退後は、友達の紹介で音楽関係のお仕事もしているのですが、一緒に作業している仲間たちに迷惑をかけないかなという心配もありました。 ――いろんな葛藤があったんですね。 　そうなんです。でも、仕事仲間に相談したら、「自分の軸を持っていれば大丈夫だよ！」と快く送り出してくれて。お花まで出してくれた。これには感激でした。 　ようやく覚悟を決めて10月にお返事をして、そこから一気にレッスンが始まったのですが、振り付けが決まったのは、本番の5日前という怒涛のスケジュールでした。 ――今、改めて“ハダカ”になることのプレッシャーはなかったですか？ 　いろんな面でプレッシャーはありましたが、まず真っ先に改めたのは、食生活ですね。現役時代はなにかと食事には気をつけていたんですが、引退してからめちゃめちゃ食べるようになって（笑）。私、ラーメン、餃子が大好きなんですよ。焼き肉は、お米がないと食べられないくらいの炭水化物好きで……。 　でもいざロック座に出ると決めてからは、そういったものをやめて、ブロッコリー、ささみ、納豆、ひじき……とかなりストイックに節制をしていました。 ――お客さんの反応はどうでしたか？ 　まだ慣れてないので怖いです。引退してからも会員制のサイトでファンの方とは交流を続けてきたんですが、それはあくまでも「私を好きな人」しか閲覧できない小さなコミュニティに限った話。大勢の方が来場するロック座の舞台は、まったくの別モノなんですよね。 　他の先輩の踊り子さんたちの足を引っ張ってはいけないというプレッシャーも正直、感じていますね。 ――途中、大勢の姐さんに囲まれて踊って、早着替えする場面もありますよね。 　あれは毎回大変ですね！　最初は、早着替えをして靴まで履く流れだったのですが、何回やっても靴をちゃんと履けなくて！ 靴を履こうとすると、衣装がちゃんと着られないので、本番直前で諦めましたね。半裸で出てくるよりは、まだマシかなって（笑）。 　本番では、ほんの些細な遅れが命取りになることもあるんです。しかも前回、腰を痛めたのが早着替えのときだったので、今回はより慎重になっている部分もあるかもしれません。