更新日:2024年02月10日 17:17
仕事

使えない社員を「クビにする口実」は、まさかの…。業績を伸ばし続けるブラック企業の恐るべき手口――大反響トップ10

“トイレ遅刻”で始末書を書くハメに

「朝から腹の調子が悪い時があって、途中下車して30分ほど遅刻して出勤したんです。そのとき、派遣先の企業から特に文句を言われることもなかったのに、人事から始末書の提出を求められたんです」  驚いた永井さんは、始末書を書く理由を人事に尋ねた。 「『あくまでも形式的なもの』と言われました。先輩たちも書いているというので、腑に落ちないまま提出しました。昔から胃腸が弱かったため、同様のケースが2度ほどあって、その度に始末書を書かされました」

始末書を書かされた理由はまさかの…

 入社から1年ほど経った頃のこと、永井さんは始末書を書かされた理由を知ることになる。 「ボーナスが出たんですが、聞いていた額の半分ほどしか支給されなかったんです。人事に問い合わせたところ『勤怠態度の悪さからマイナス査定になった』と言われました。具体的に尋ねると、『3回遅刻している』とのことでした」  遅刻3回でボーナス半分はあまりにもひどいと考えた永井さんは、先輩に愚痴をこぼした。すると、会社のさらなる黒い話を聞くことになったという。 「会社は遅刻や顧客からのちょっとしたクレーム、報告漏れなどの些細なミスで始末書を書かせていました。それを、なかなか成長しなかったり、顧客からのクレームが多い社員を、クビにする理由として使っているとのことでした。法律上、日本では、容易に社員を解雇することはできませんが、始末書を懲戒免職の理由として使っていたんです。先輩によると、それでクビになった社員が年に何人もいるとのことでした」  会社の黒い話はそれだけではなかった。
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懲戒免職になる前に辞めた
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込み入った話や怖い体験談を収集しているサラリーマンライター。趣味はドキュメンタリー番組を観ることと仏像フィギュア集め
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