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83歳、“架空”のおじいちゃんカメラマン「月3000万インプレッションの稼ぎは?」中の人を直撃

月3,000万インプレッションも「そこまで稼いでいない」

2621円

Xでいいねを約30万も得た月の報酬は2621円だったという

 今も「會田与作」のアカウントは伸び続けており、現在では4.7万フォロワー。インプレッション数は最大で月3,000万を叩き出したそうだ。X上では「投稿がバズったらPRしたいものを宣伝する」という“お決まり”の流れがあるが……。
「宣伝投稿風の画像もAIで作りました(笑)。まぁ、自分にはPRするものが特にないというだけなんですが、若干、SNSの“お決まり”への皮肉みたいなところもあります。一瞬、『なんだ、PRかよ』って思った人に心をザワつかせてほしいなと思いました」  ある意味で「そんな小銭は稼がない」矜持にも見えるが、3,000万インプレッションもあったのなら、実際はさぞかし儲かっているのではないだろうか。 「いいえ。たとえば、Xの投稿でいいねを約30万も得た月に頂いたお金は2621円でした(笑)。別に會田与作で稼ごうとは全く思っていなかったので、逆に投稿するネタになって全然よかったんですけど……。X上でよく見る“インプレゾンビ”たちって、実は割りに合わないんじゃないかなぁとは思いました」  とはいえ、8月には阪急メンズ東京で写真展が開催される。これはさすがに大金が舞い込むのではないか……と思ったが、「入場無料なので儲けるどころか、下手したら赤字になる可能性もあるかも」とのこと。それでは會田与作の活動に限界を感じているのだろうか。 「実は會田与作をきっかけに『生成AIに詳しい人』として企業さんへのコンサルのようなお仕事を頂いています。カメラマンの仕事と並行してやっているので、ありがたいことに忙しくさせてもらっています」

「バズった」からこそ分かる生成AIの限界


 本業のカメラマンの仕事に加え、生成AI関連の仕事も増えた長橋さん。それならば今後も「會田与作」とともに時代を突き進むのか? と思いきや「どこかのタイミングで辞める可能性はある」と話す。 「生成AIはまだまだグレーな部分があります。ネット上にあがっている様々な画像を無作為に集め、ごちゃまぜにして出力する構造上、ポルノ画像が含まれてしまったり肖像権を犯してしまったりする恐れもあります。誰かの顔がそのまま出るわけではありませんが、著作権の許可を取らずに何百億もの画像を組み合わせて出力されてしまい、どういうデータを使ってその画像ができたのか確認するすべがない。投稿前には似たような画像がないか地道に画像検索をかけて確認していますが、厳密には確認できないのが怖いですね」  そうした怖さに加え、生成AIへの嫌悪感が根強いのも理由のひとつだ。企業が広告で生成AIを使用すると炎上するケースも多く、世の中としてはアンチが多いのだそう。會田与作にもDMがたくさん届くそうだが……。 「僕はそういったDMを送ってくる方の主張はものすごく理解できるし共感もできるので、“そうだよね”っていう感じで受け止めてはいます。生成AI自体は非常に進化が早く、数ヶ月経ったら新しいツールが出てきて革命が起きることもありますので、今は最前線で動向を見ながら、AIにできることを模索したいと思っています。  ただ、生成AIに触れ、『人間ってやっぱ面白い』と強く感じました。本気のクリエイティブが試されているというか。そのうえでは、人間のユーモアにAIはまだまだ追いつけないと思います」  生成AIの最前線で、冷静にその動向を見守っている様子。果たして、今後はどんな“変化”が起きるのだろうか。 <取材・文/松本果歩>
インタビュー・食レポ・レビュー記事・イベントレポートなどジャンルを問わず活動するフリーランスライター。コンビニを愛しすぎるあまり、OLから某コンビニ本部員となり店長を務めた経験あり。X(旧Twitter):@KA_HO_MA
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