「日本はアメリカの野球を変えている」メジャーリーガーが真似できない、日本人投手の“脅威の能力”とは?
18日に開幕したドジャースとカブスの「MLB東京シリーズ」。試合を取材するために来日した、弁護士で実業家のインフルエンサーという異色の投球分析家・ピッチングニンジャことロブ・フリードマン氏。
試合に先立って、16日に渋谷で開催された来日特別トークイベント(主催 Fanatics Japan合同会社)で、MLBで存在感を放っている投手、野球の魅力、ピッチングの奥深さなどについて、マック鈴木氏(元メジャーリーガー)、村田洋輔氏(MLB.jp編集長)、MCのDJケチャップ氏と語り合った。
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MCのケチャップ氏が「日本人選手って、野茂(英雄)さんのトルネード投法、イチローさんのバッティング技術など、アメリカで野球の歴史を変えているんじゃないでしょうか?」と投げかけると、フリードマン氏は同意してこう語った。
「その通りだと思います。今もアメリカの選手は、日本人選手を見倣っています。多くの日本人投手が活躍していますが、特にスプリッター(※)については日本人投手が基準を作っています。アメリカでは長年の間、スプリッターを投げる投手がほとんどいませんでした。
有名なのはロジャー・クレメンスぐらいで、彼以来、ほぼ途絶えていたのです。ところが今、多くの日本人投手がスプリッターを投げて成功しているのを見て、メジャーリーガーたちがこぞってスプリッターを習得しようとしています。日本人がアメリカより進んでいると思うところですね」
※スプリッター=フォークボールとスプリット・フィンガー・ファストボール(日本では略してスプリットを呼ぶことが多い)を含めた総称。アメリカでは後者をスプリッターとも呼ぶなど区別は曖昧。フォークに比べて、スプリット・フィンガー・ファストボールは、球速が速く落ち幅が小さい。どちらも人差し指と中指の間にボールを挟んで投げる落ちる変化球。
話はトレーニングの話題にも及んだ。大谷翔平が肩甲骨を背中で合わせてしまうエピソードを皮切りに、柔軟性についても日本人が進んでいるところではないだろうか、と問われたフリードマン氏も同意して続ける。
「山本由伸、佐々木朗希、大谷翔平を見ていると、彼らは関節が二重になっているかのような動きをします。アメリカの投手ではあまり見ない動きです。アメリカ人投手は、柔軟性や可動域のトレーニングをあまり重視せず、代わりにウェイトトレーニングをしているからでしょう。体格も大きいので、純粋な筋力に頼ることが多いのです。一方で、日本人投手は関節や手足の使い方が上手いと思います」
ところが、これに元メジャーリーガーのマック鈴木氏が異を唱えたのだ。

日本人投手について熱い議論を戦わせるピッチングニンジャ(左)とマック鈴木氏
「今もアメリカの選手は日本人選手を見倣っている」
大谷翔平、山本由伸、佐々木朗希の脅威の柔軟性
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