5人組グループ・Aぇ! groupが1stアルバム『D.N.A』を引っ提げて、全国アリーナツアーを開催中だ。メンバーの小島健、正門良規、末澤誠也、草間リチャード敬太、佐野晶哉にとって、待望のオリジナル楽曲のみで構成したライブ。また、3月25日～3月30日の神奈川公演ではグループ初の横浜アリーナを舞台に、6日間9公演というロングランを見事に走り切った。 3月30日の昼公演。オープニング映像後、ライブ1曲目はデビュー曲「《A》BEGINNING」。メンバーカラーに照らされたカプセルから白い衣装の5人が登場。末澤の「騒げ、東京！」のシャウトで派手にライブが開幕した。その後、「Colorful Days」の冒頭では、歌詞に合わせて5人がカラフルな衣装チェンジ。キラキラした金色の紙吹雪が吹き上げるなか、華やかなパフォーマンスで観客の瞳を釘づけにした。 今回のライブ構成・衣装はメンバーの末澤が担当。「今までやってこなかったものを盛り沢山に詰め込んだ」というように新たな演出が随所に見られた。大人の色気が溢れる「Party-Aholic」は、冒頭で演劇シーンのよう掛け合いから入り、楽曲への没入感が増した。また「AKAN」では、高揚感を煽る色鮮やかなレーザー光線とスタイリッシュなダンス、そして遊び心満載の歌詞が融合したセンターステージに目を奪われた。 ほかにも、「ROCK’NPOP」では5人がステージから勢いよくポップアップで登場。Aをかたどったムービングフレームの5角形に囲まれたステージで披露した「Gotta Be」。そして、彼らの真骨頂ともいえるバンドコーナーでは、熱量マックスのロックナンバー「咆哮」で、激しい演奏とともに末澤のハイトーンボイスを会場に響かせた。 MCコーナーでは、関西出身の5人ならではの軽快なトークを展開。正門が「ここで、みなさんにお伝えしたいことがありまして……聞いてくれますか？」と静かなトーンで切り出すと、小島が「なんか怖いわ！」と反応して、佐野も「お知らせしたいこと史上、一番静かやったで」とツッコむ。6月18日に3rdシングル「Chameleon」がリリースされることが発表されると、会場は割れんばかりの歓声に包まれた。本来カメレオンは敵から隠れるために皮膚の色を変えるが、Aぇ! groupは自分達を表現するために色を変えていくというメッセージが込められた。リチャードは「過去一難しい楽曲ですが、グループの新たな可能性を感じてもらえると思います！」とアピールした。 ライブの締めには、ファンへの感謝を込めた楽曲「Hello」を披露。この日、代表で挨拶を務めた正門は、「毎公演を皆さんと作るライブという時間が僕は大好きです。良い意味で全然違うんですよ。僕らが作ったライブに皆さんが命を吹き込んでくれて生きてるって感じがします。新曲の発表もありましたが、受け取って聞いていただいてからが曲の物語のスタートだと思っています。これからもAぇ！ groupの活動に注目してください。そして、最高の思い出と景色を共に見に行きましょう！」と呼びかけた。 ダンス・歌・バンド・お笑いというマルチな才能と、先輩たちから継承してきたアイドルのDNAが掛け合わさったAぇ! groupの今後の伸びしろに期待したい。 取材・文／吉岡 俊　撮影／後藤 巧