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バラエティ番組で「芸人よりSTARTOタレントが重宝される」ワケ。すでに“スーパーサブ”的存在感を発揮するジュニアも

普段、何気なくテレビや芸能ニュースを眺めていて、疑問や不思議に思うことがあるだろう。そこには制作現場に携わる人間のみが知り得る“法則”が見え隠れする。『博士ちゃん』『神業チャレンジ』『ケンミンSHOW』などに参加する放送作家歴20年、現代バラエティ番組を知るデーブ八坂がそれらの謎について明朗回答する。
「ゴールデンストーンズ」番組公式HPより

『ゴールデンストーンズ』番組公式HPより

マルチすぎるSTARTOタレントの芸人化

これまでテレビバラエティの天下は「芸人」が担っていたが、それがここ3年で崩壊しつつある。 今年だけでもSTARTOタレントの冠番組が5本も始まっているのだ。 その内訳は『Golden SixTONES』(日本テレビ4月スタート)『タイムレスマン』(フジテレビ4月スタート)『timeleszファミリア』(日本テレビ10月スタート)『timeleszの時間ですよ』(TBS特番)『サクサクヒムヒム』(日本テレビ4月スタート)と、グループ名やメンバー名からの冠番組がSixTONESが1本、timeleszが3本、SnowManが1本。さらにこの10月からテレビ朝日で『激レアさんを連れてきた』の後枠に『光一&シゲのSHOWマン!!』という堂本光一&NEWS加藤シゲアキの番組も始動すると発表された。(9月10日時点) ここにすでにレギュラーになっているのを加えると『それSnowManにやらせてください』『ザ!鉄腕DASH!!』(森本慎太郎、草間リチャード敬太)『ぽかぽか』(松田元太)『ドッキリGP』(向井康二、松田元太)『今夜はナゾトレ』(阿部亮平)『ラヴィット!』(宮舘涼太、佐久間大介)『ノンストップ!』(深澤 辰哉)と、地方局も入れたらもっとありもはや朝の情報番組からゴールデンのバラエティまでSTARTOのタレントが席巻しているのだ。 なぜここまでSTATOタレントが席巻しているのか?そこには明確にテレビマンが使わざるを得ない理由が存在する。

STARTOがバラエティを席巻する3つの理由

番組のキャスティング会議では、ドお笑い番組でない普通の情報バラエティであればどんな放送作家もSTRATOのアイドルを1人は入れている。その理由はSNSの反応がいいからだ。SNSで出演者の名前を入れて告知をすれば多くのコメントが寄せられリプライもされる。事前記事も読まれて結果番組の宣伝につながり、視聴者に見てもらえる。出すだけで告知になるのだ。 さらに、今テレビ界のもう1つの評価基準にもなってきている「TVerの再生回数」。 特に視聴率に変動が見られなくなった深夜番組などは配信がいかに回るか? が評価基準になっており番組存続にかかわるため熱烈なファンが多いSTARTOのタレントを入れて配信がまわるように仕向けている。視聴者側からはお気に入り登録の数値しか見られないが、TVerは各テレビ局に再生回数の情報は共有され、番組スタッフも会議内で再生回数を共有することもあったりする。 地上波放送ほどではないが多少なりとも広告収入で利益にもなっているので打ち切りが早い深夜番組にとっては重大。だから何でこの企画にアイドルがいるの?というような番組もあると思うが、番組を存続させるためなど様々な事情が関係しているのだ。 あと1つは「SnowMan」「SixTONES」「timelesz」と令和に誕生した冠を持てる3組のスターが出そろったのも大きく影響している。吉本でいえば「千鳥」「かまいたち」「チョコレートプラネット」といったゴールデンMCの顔となる知名度・実力を持つスターが現れたのと同じ。そこから付随して事務所の後輩タレントが番組出演しやすくなり、跳ねたらブレイクする可能性が高まっていく。
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筆頭は「浮所飛貴」と「猪狩蒼弥」がバイプレイヤーに!
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1983年⽣まれ。⼤分県出⾝。2004年、ハガキ職⼈として「⽥村淳のオールナイトニッポン」のスタジオに呼ばれたことを機に、放送作家を志す。2005年、TBS特番「プライス4」、「クイズ$ミリオネア」のクイズ問題作成でキャリアをスタートさせる。これまでに携わった番組は500本を超え、現在も10本以上のレギュラー番組を担当。バラエティ番組を中⼼に活躍しながら、江⼾⽂化歴史検定や信⻑戦国歴史検定を持つなど、歴史にも造詣が深い。丁寧かつひたむきな⼈柄と仕事ぶりから、レギュラー番組と並⾏し、多くの特番に参加し続けている。Twitter:@yasaka19831192
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