更新日:2026年02月04日 14:27
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“マイレージ改悪”が客離れを招いた「いきなり!ステーキ」の今。すき焼きに海鮮など、「脱ステーキ」を模索するも道半ば

「いきなり!ステーキ」の客数が回復しません。2025年度の既存店の客数は前年度比1.2%減少。2024年度は同4.9%減少していました。  2025年12月末時点の国内店舗数は171。1年間で4店舗の純減でした。ステーキレストランは競争が激化しており、「いきなり!ステーキ」は相対的なコストパフォーマンスが低下しつつあります。
いきなり!ステーキ

いきなり!ステーキ(写真/Tipstour – stock.adobe.com)

大成功した「高回転・低価格」モデル

「いきなり!ステーキ」は2025年1-9月が1.4%の増収でした。原材料高を背景に値上げを続けており、2025年度の客単価は6%程度増加。客数が減少する中でも売上増を実現しました。しかし、店舗数を抑制しているために微増に留まっています。 「いきなり!ステーキ」は開業当初、食い形式でステーキを提供し、高品質の肉を低価格で楽しめることをセールスポイントとしていました。ステーキ単体の原価率を70%、サラダやライスなどサイドメニューを含めて55%に抑制。立ち食いスタイルで回転率を高め、高稼働で稼ぐというビジネスモデルでした。

原価率60%から40%に。変貌した収益構造

 1号店をオープンした2013年は、高級フレンチや高級イタリアンを立ち食い形式で提供する「俺のフレンチ」「俺のイタリアン」がブームを巻き起こしていました。原価率が高く、立ち食い形式というビジネスモデルは同じ。しかし、「俺の」シリーズには腕利きの料理人が必要で、急拡大は難しい業態でした。  しかし、「いきなり!ステーキ」はオペレーションを平準化することが可能。ここが画期的なポイントでした。ハレの日に食べるステーキを日常食として提供したことで新たな需要を開拓。2017年から2019年にかけて店舗を急拡大していきました。 「いきなり!ステーキ」の人気を支えていたのはコストパフォーマンスでした。これが失われていきます。  ペッパーフードサービスの2014年度の原価率は50%でした。店舗数を急拡大していた2019年度は60%近くまで上がります。しかし、2024年度は40%まで低下しました。2020年には主力業態の一つだった「ペッパーランチ」を投資ファンドに売却しています。つまり、売上の9割以上が「いきなり!ステーキ」になったにも関わらず、原価率は大幅に低下しているのです。
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都心でも着実に増殖…ステーキチェーンの勢力図に変化
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フリーライター。大企業から中小企業まで幅広く経営支援を行った経験を活かし、経済や金融に関連する記事を執筆中。得意領域は外食、ホテル、映画・ゲームなどエンターテインメント業界
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