ライフ

GWの高速道路で渋滞中、娘が「トイレ行きたい」…逃げ場がない状況で“限界”を迎えた家族の悲劇

 いよいよ始まったゴールデンウィーク。楽しみではあるものの、移動時の交通渋滞が思わぬトラブルや修羅場を生むことも少なくない。坂口優子さん(仮名)が語るのは、帰り道で子どもがトイレの限界を迎えた際の出来事だ。

行きは順調だった。問題は帰り道……

渋滞

※写真はイメージです(写真/Adobe Stock)

 ゴールデンウィークの真っ只中、坂口さんは夫と娘の3人で車に乗り、日帰りのおでかけを楽しんだ。行きはそれほど混雑していなかった。しかし帰り道、高速に乗ってすぐに電光掲示板が「事故渋滞25キロ」を告げた。「嫌な予感がしたのを覚えています」と坂口さんは振り返る。  最初はゆっくりと前進していたが、途中からほとんど止まったままになった。前の車との車間が詰まったまま、ブレーキとアクセルを踏み替えるだけの状態が延々と続く。気づけば、30分以上まともに進んでいなかった。

娘が小さな声で「トイレ行きたい」

 娘は静かにしていた。だが、だんだん落ち着かなくなり、「ねえ、あとどれくらいで着くの?」と繰り返し聞いてくるようになった。坂口さんは「まだかかりそうだよ」と答えながら、内心では焦りを感じていたという。  そしてしばらくして、娘が小さな声で「トイレ行きたい」と言った。 「私は『まだ大丈夫だよね?』と軽く聞き返したのですが、『うん……』と曖昧な返事でした。ここで一気に空気が変わりました」  ナビで確認した次のサービスエリアまでの距離は、なんと10キロ以上。しかも渋滞のど真ん中である。夫婦の間に、言葉にならない焦りが広がった。夫が「これ無理じゃない?」と小声で言う。坂口さんも同じことを考えていた。それでも「大丈夫だよ、もう少しで動くはずだから」と答えるしかなかった。

「もう少し」という言葉が虚しく響く

 渋滞は動かなかった。娘は我慢しているが、体をもぞもぞさせ始め、「あとどれくらい?」と聞く回数がさらに増えていった。そのたびに「もう少し、もう少し」と返す自分の声が、どんどん空虚に聞こえてくる感覚があったと坂口さんは語る。  前の車のブレーキランプだけが、ぼんやりと赤く光っていた。  やがて娘は黙り込み、シートの上で体を小さく丸めるような姿勢になった。「その様子を見て、もう限界が近いと直感的にわかりました」と坂口さんは言う。
次のページ
ついに限界「もうむりかも」
1
2
編集者・ライター・旅行作家。取材や執筆、原稿整理、コンビニへの買い出しから芸能人のゴーストライターまで、メディアまわりの超“何でも屋”です。著書に『海外アングラ旅行』『実録!いかがわしい経験をしまくってみました』『10ドルの夜景』など。執筆協力に『旅の賢人たちがつくった海外旅行最強ナビ』シリーズほか多数。X(旧Twitter):@gold_gogogo

記事一覧へ
SPA!編集部が「人生後半を賢く楽しく生きる」をテーマに厳選した記事をメルマガ会員限定で毎週金曜日にメールでお届けします。仕事・お金・性・人間関係…人生を豊かにする秘訣が見つかります。無料・10秒で完了です。
無料でメルマガ登録する⇒⇒
※登録後、メール認証が必要です。受信した認証メールをクリックして、登録を完了させてください。
※認証メールが届かない場合、迷惑メールに入っているか、メールアドレスが間違っている可能性があります。再度ご登録ください。
【関連キーワードから記事を探す】