藤井聡太「プロになった今、感じる“将棋の楽しさ”」。熊本復興応援対局、八代八段が大激闘の末に藤井を破る
2026年9月12日、熊本城ホールで熊本復興応援対局「将棋日本シリーズ JTプロ公式戦」二回戦第四局が開催された。
対局したのは、同大会3度の優勝を誇る藤井聡太JT杯覇者と、今回が初出場となる八代弥八段。両者による一局目は千日手となり、指し直し局にもつれ込む激戦となった。最後に勝利をつかんだのは八代八段。これまで公式戦で4戦全敗だった藤井JT杯覇者を108手で破り、初出場でベスト4進出を決めた。

熊本大会は当初、益城町のグランメッセ熊本で開催される予定だった。しかし、令和8年熊本地震の影響を受け、会場を熊本市中心部の熊本城ホールへ変更。大会名も「熊本復興応援対局」とされた。主催者は、来場者の安全や棋士の対局環境を考慮しながらも、「熊本での開催実現を前提に判断した」と説明している。
一方、同時開催される予定だった「テーブルマークこども大会」は、急きょの会場変更によって対局スペースを確保できず、中止に。応募した子どもと同伴者は、代わりにプロ公式戦の観戦へ招待された。
大会では対局のほか、棋士による復興応援メッセージや、佐藤康光九段と佐藤天彦九段による「読み筋披露対局」も実施。将棋を通じて熊本に元気を届ける一日となった。

八代八段は1994年生まれの32歳。今大会がJTプロ公式戦初出場ながら、一回戦を勝ち上がり、藤井JT杯覇者との一戦を迎えた。
熊本との縁も深い。師匠の青野照市九段が熊本県八代市の将棋支部で師範を務めており、師匠の代わりに現地を訪れた経験があるという。八代八段は、そこで熊本の人々の将棋熱を強く感じたと振り返った。
また、一回戦では初めて和服での公開対局に臨み、不安や緊張もあったという。しかし、多くの観客が最後まで対局を見届けてくれたことで、公開対局ならではの喜びを実感した。
「たくさんの方に注目していただき、最後まで観戦していただける機会は、棋士にとっても決して多くありません。こうした公開対局の場を設けていただいたことへの感謝を忘れず、藤井JT杯覇者という厳しい相手にも、気負いすぎず集中して臨みたいと思います」
被災後の熊本で対局することについても、「棋士として一生懸命将棋を指す姿を見ていただくことが、少しでも皆さまの力になれば」と語った。
地震で会場変更。それでも「熊本での開催」を実現

藤井聡太JT杯覇者(写真左)と八代弥八段 写真提供:将棋日本シリーズ総合事務局
「感謝を忘れずに」初出場の八代八段が語った決意

八代八段 写真提供:将棋日本シリーズ総合事務局
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