元ランナー西田隆維が第89回箱根駅伝大予想「本命=駒沢、対抗=東洋、大穴=日体大」
【西田隆維氏プロフィール】
’77年生まれ。タレント「西田ランニングくらぶ」代表/劇団Winday’s主催。’01年エドモントン世界陸上選手権に日本代表として出場。マラソン9位。駒澤大学時代は4年間連続で箱根駅伝に出場。4年時の第76回は復路のエース区間9区にて当時の区間新記録を樹立。その後ヱスビー食品、JALグランドサービスで選手を続け、現在はタレントとして舞台、映画、モデルなどで活躍。イベント主催、DVDプロデュース業など活動の場を広げている。35歳独身 http://ameblo.jp/takabon1/
<取材・文/NANO編集部>
海外サッカーやメジャーリーグのみならず、自転車やテニス、はたまたマラソン大会まで、国内外のスポーツマーケティングに幅広く精通しているクリエイティブ集団。「日刊SPA!」ではメジャー(MLB)・プロ野球(NPB)に関するコラム・速報記事を担当
「今年の箱根は展開が大きく変わります!」
駒沢大時代、4度箱根路を走り、2000年に行われた第76回大会では、9区の区間記録も樹立、初優勝に大きく貢献。現在はタレントとして活躍中の西田隆維さんに、新春の風物詩、第89回・箱根駅伝(東京箱根間往復大学駅伝競争)を予想してもらった。
ここ4年、レース展開が大きく変わる理由として “山の怪物”こと柏原竜二(東洋大→富士通)の存在が大きかったと語る西田さん。
「今までは各大学が”柏原対策”をしなければならなかったんです。優勝を狙うチームは往路の5区のアンカーに襷(たすき)を渡した時点で、柏原の東洋大学とは3分の貯金が欲しかった。その貯金を柏原一人でチャラにされたとしても、復路からのリスタート勝負に持って行きたい。
しかし、東洋大学は実は他の選手のレベルも高く、柏原に”おんぶに抱っこ”というわけではなかったのも事実です。各校はなかなか主導権を握る事ができず、四苦八苦していた4年間でした。柏原無き今大会は、各大学ランナーの区間配置にそれぞれ違いが現れてくるはずです」
そんなレース展開が大きく変わる今大会の優勝候補として西田氏は「手堅く予想すると、今年は2強(駒澤、東洋)+1(早稲田)の争いになると思います」。往路は先行逃げ切りの早稲田を含めた3チームの争い、そして総合的には駒澤と東洋が同じようにバランスのある配置で強さをみせることになるという。
ということで、西田氏に今大会の大本命、対抗馬、大穴をあげてもらった。
●大本命=駒澤大「選手層・窪田忍・山登り」
「とにかく選手層が厚いので、区間配置の駒が揃っていますね。これに山登りの選手を作れていると強いですよ。安定感のある窪田忍選手(3年)が大将だとすると、その周りにいる副将となる実力の選手がたくさんいるんです。
ちょっと気になるのが、トラックレースのタイムから比較するとロードでもっともっと活躍できても良いのではないか?と感じる部分です。それだけ駅伝では流れというのが大切です。
注目選手は、安定感があり好調の窪田選手が花の2区を走り、油布郁人選手3年)の1区、村山選手(2年)が走る山登りの5区。ここで勝負が決まるのは確実です」
●対抗馬=東洋大「ポスト山の神・双子ランナー・経験」
「去年の優勝を経験している選手が多く、非常に安定感があるチームですね。個人個人の力もですが、流れに乗ることが上手く、駅伝になると強いという印象です。大崩れすることがなく、ひとりで走りきれる選手が多いというのは強み。
ウィークポイントは、やはり柏原が卒業した事です。柏原がもたらす効果はタイムよりも安心感、山での走りは他の大学を圧倒していました。今回はその存在をどうやってチームでカバーしてくるのか見物です。
注目選手としては、設楽啓太・設楽悠太の双子ランナー(ともに3年)ですね。啓太が2区にエントリーが決まりましたが、悠太は残念ながら補欠。 ポスト柏原には山登りの経験のない定方俊樹選手(3年)を起用しました」
●大穴=日体大「予選会トップ・意識改革・エース服部翔大」
「予選会トップで通過してきた日本体育大学は気になりますね! 全日本大学駅伝でも4位と上位につけていいますし、ダークホースになる可能性を秘めています。3年生ながら名門日体大の主将に抜擢され、エースとしてチームを引っ張る服部翔大。
今季から別府監督の恩師・渡辺公二氏(西脇工高前監督)に特別強化委員長として指導を依頼していますし、生活面などがしっかりしてきたのではないでしょうか。チームにも意識改革があったんだと思います。実は駅伝ってそういうところが一番大きいんですよ。注目選手としてはやはりキャプテンの服部翔大選手です。ロードに強い選手なので期待しています」
●西田隆維が選ぶ今大会の注目選手
★村山謙太(駒澤大・2年)
1年時から期待されている、駒澤エースの一人。個人的には1区、9区を走る姿を見てみたかったが、山登りの5区に起用
★山本修平(早稲田大・2年)
昨年の5区山登りを1年生ながら区間3位。経験がものをいう山登りなので、どのくらい成長しているかどうか
★大迫 傑(早稲田大・3年)
ユニバーシアード10000mで金メダルを獲得、学生ランナー界エースの一人がまさかの補欠エントリー。しかしこれは恐らくかけひき。当日のエントリー変更で走ることが濃厚。強さだけでなく、華があるルックス、さてどの区で起用されるかも注目だ
★出岐雄大(青学大・4年)
こちらも補欠エントリー。びわ湖毎日マラソンを2時間10分台で走った、長い距離に強い選手だ。状態が悪くてもしっかりと走りぬけるので、何区を走らせるかが気になる。花の2区での起用が濃厚か
★大江啓貴(明治大・4年)
過去2大会、柏原に次いで区間2位の山登りのプロフェッショナル。“神”がいなくなった今回の5区を湧かせる走りができるか期待。
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