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MLB日本人所属チームを分析【レッドソックス編】

◆一昨年、昨年の苦渋を経て一回り大きくなった? 激戦のアメリカン・リーグ東地区を勝ち抜けるか?

ボストン・レッドソックス ボストン・レッドソックスはリーグ有数の歴史を持つチームで、2004年まで86年間ワールドシリーズ優勝から遠ざかっていたとはいえ、常にペナントレースをにぎわせる強豪チームだ。それが一昨年、8月末までプレーオフ進出は間違いなしと思わせる強さを見せていたのが、9月に入って突然ガタガタに崩れてプレーオフ進出を逃し、アメリカの野球ファンたちは驚き呆れ、レッドソックスファンたちは怒りにブチ切れた。

 あと1年契約のオプションが残っていたテリー・フランコーナ監督(現クリーブランド・インディアンズ監督)の契約は更新されず、シーズン途中で選手たちにも大幅入れ替えが行われたが、昨年のレッドソックスは前年のショックを引きずるように69勝93敗でア・リーグ東地区最下位という無残な成績に終わった。

 だが今季はようやくあの崩壊ショックから立ち直り、昨年の弱さが嘘のような好調な出だしだ。ニューヨーク・ヤンキースやボルチモア・オリオールズと激しい首位攻防の最中ではあるが、6月12日現在では2位ヤンキースに3ゲーム差、3位オリオールズに3.5ゲーム差をつけて首位に立っている。

◆頼もしい先発陣

 今年29歳になるクレイ・バックホルツ投手が、防御率メジャートップの1.71、12試合に先発し、いまだ負けなしの9勝という素晴らしい働きをしている。2007年のデビュー以来その才能に大きな期待をされながらケガや好不調の波がある右腕だった。しかし、ようやく精神的にも逞しくなって、真の「エース」と呼べるような活躍をシーズン最後まで見せてくれるだろうか。

 同じ29歳の左腕ジョン・レスター投手は、2011年までバックホルツ投手よりずっと安定した成績を残してきているエースだが、今季はここまで14試合に先発して6勝3敗、防御率4.12。実は2011年9月の「崩壊」後、当時のレッドソックスの選手たちがいかにダラけていたかという話が次々と浮上した。

 なかでもレスター投手、ジョン・ラッキー投手、その後ロサンゼルス・ドジャーズにトレードされたジョシュ・ベケット投手の3人、そして時にはバックホルツ投手や他の選手らも加わって、試合中出番がない時にクラブハウスでビールを飲み、フライドチキンを食べたりして、自分が出ていない時はチームがどう戦おうと関心がないような態度。そういったことの積み重ねが、チームの士気を大幅に挫いたという話だった。そして2011年までメジャー通算76勝34敗だったレスター投手は、2012年は9勝14敗という惨憺たる成績。チームの立ち直りとエースの立ち直りが緊密に結びついていることは間違いない。

◆恐れられる攻撃陣

 一方の攻撃の軸は、まずダスティン・ペドロイア二塁手。現在ア・リーグ5位の打率.327という好成績でチームを引っ張る。また現在29盗塁でア・リーグトップのジャコビ・エルズベリー中堅手や、何と言ってもメジャー屈指の強打者、デビッド・オルティス選手が活躍している。ケガで出遅れながら現在打率.309、48試合に出場して早くも13本塁打、48打点と好成績。レッドソックスのチーム打点345は2位デトロイト・タイガースの316打点に大きく差をつけた断トツ、他チームに恐れられてきたレッドソックスの攻撃力は今年も健在である。更に今年新加入のマイク・ナポリ一塁手やジョニー・ゴムズ左翼手らは、練習熱心で、個人成績よりチームの勝ちを優先するベテラン。昨年はメチャメチャになってしまった選手らの気持ちを立て直すのに大きな役割を果たしている、と言われている。

◆ブルペンで大きな役割を果たす2人の日本人投手

 上原浩治投手、田沢純一投手はブルペンで今年も良い働きをしている。ここまでの登板回数は田沢投手がチームトップの30試合、上原投手が28試合、監督らの二人に対する信頼の厚さの証である。防御率は上原投手が2.36、田沢投手が2.43という好成績。特に上原投手は26.2回を投げて被安打18、被打率.186と相手打者を抑え込んでいる。先発投手や抑え役に劣らず、優勝を争うチームに良い中継ぎ陣は不可欠である。両投手ともこの好調を維持してチームの勝利に貢献し、イチロー選手や他のメジャーの強打者、好打者らと名勝負を繰り広げてほしい。

※記録は6月15日現在

<取材・文/NANO編集部>
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