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元世界陸上代表の西田隆維が第90回・箱根駅伝を大予想「本命=駒澤、対抗=日体&東洋、大穴=明治」

◆「史上まれにみるハイレベルな戦い! 平地の駒澤、山の日体」
西田隆維,箱根駅

第76回箱根駅伝9区で区間賞。駒沢黄金時代の礎を作った西田氏

 昨年の日本体育大学の優勝、そして当時3年生ながら主将を務めた服部翔大(日体大)の活躍を予言した西田隆維さん。駒澤大時代、4度箱根路を走り、2000年に行われた第76回大会では、9区の区間記録も樹立、初優勝に大きく貢献。現在はタレント、そして西田ランニングくらぶの代表として活躍中の西田さんに、年々注目度が高まっている、第90回・箱根駅伝(東京箱根間往復大学駅伝競争)を予想してもらった。  まず今大会のレース展開についてたずねると「トラックの10000mや5000mで日本トップクラスで競い合っている選手達が多くなっているので、近年に無いスピードレースが見られる可能性がありますよ」と語った。 ◆優勝候補筆頭は駒澤大学 「今年の2大会(出雲駅伝、全日本大学駅伝)を、どちらも危なげない独走で優勝している駒澤大学は強いですね。1区の中村匠吾がスタートから圧倒的な強さで主導権を握り、2区以降の選手達もひとり一人が大崩れする事なく自分の役割を果たしている事が、非常に強みだと思います。  今年のチームは特に自分の能力を出しきれている、大会ごとにピークを合わせられているまとまったチームですね。たぶん大きな改革があったわけでなく、エースの窪田選手を中心にそれぞれの意識が高く、やるべき事をしっかり理解し、当たり前のように自分達で率先して行動している。  だから良い緊張感を保ちレースに望め、選手達はのびのび走っているように感じます。  やる事を理解してやるのと、ただ何となくやるのでは全然違いますからね」 ◆対抗馬は日本体育大学と東洋大学 「(昨年)5区服部翔太選手の走りは、優勝に大きく貢献しましたね。近年の大会を見ると山の重要性を強く感じます。その点で、日体大には山に強い選手が残っているのが強みですが、チームとしては昨年ほどのまとまりはない感はあります。しかしエースがしっかり走ったときに結果もついてくるので、駅伝ではずさない服部の調子がカギになります。  服部以外では、昨年9区で区間2位、全日本大学駅伝では18位と結果を出せてない矢野圭吾。全日本大学駅伝で区間賞の山中秀仁をどこに配置するかも注目ですね。  東洋大は、ひとり一人は実力者揃いで駒澤との差はわずかです。ただ走って欲しい選手が力を出し切れず、昨年より劣る感じですね。キーになる選手としては、昨年1区で区間賞の田口雅也。そして、設楽兄弟のトラックでの強さをロードでだせたら面白くなりますね」 ◆大穴の明治大学、予選会2位の山梨学院大学は波乱を呼ぶ? 「去年の箱根を経験しているメンバーがほとんど残っているのが明治大の強みですね。出雲駅伝は失敗した感じでしたが、全日本駅伝で駒澤、東洋についで3位としっかりと仕上げてきました。 (トラックレースなどの)全体で走るのが得意なのか? ただの調整不足か? は定かではありませんが、トラックレースで強い選手の個々の力がまだまだ出しきれていない感じがします。  キーとなる選手はスピードを持っている八木沢元樹ですね。出雲で区間賞をとっていますし、トラックの力をロードにどう生かせるかが勝負になると思います。  あと、予選会2位の山梨学院大はおもしろい存在ですね。E・オムワンバ、全日本大学駅伝で区間賞をとった井上大仁がいるので、もう一人良い走りをしたら往路を賑わせる可能性大です」 ― 西田隆維が選ぶ今大会の注目選手 ― ★関口頌悟(法政大・3年) 前回山登り5区で服部(日体大)に約2分差の2位という実力と、それで注目されたことによりさらに強くなってきている。 ★井上大仁(山梨学院大・3年) 箱根駅伝予選会で日本人2位でゴール。全日本大学駅伝ではエース区間2区で早稲田大の大迫と同タイムで区間賞を獲得している。 ★中村匠吾(駒澤大・3年) 出雲駅伝、全日本大学駅伝で共に1区で区間賞を獲得している。箱根での1区はほぼ確実で3大会制覇も期待。ロングスパートも得意なのが特徴。 ★村山謙太(駒澤大・3年) 出雲駅伝、全日本大学駅伝の2大会連続で区間記録を更新している。様々な状況変化やコースに臨機応変に走ることができる。 ★服部翔大(日体大・4年) 昨年3年生で主将を務め、5区の激走でチーム優勝に大きく貢献した。4年生となりチームのためだけでなく、記録も狙ってくる攻めの走りに注目。  最後に、西田さんにレース前のこの時期の選手の体調管理について尋ねた。 「この時期は風邪をひかないようになど、かなり体調管理に敏感に対応しています。箱根が終わったその日から、1年を通してここに向けて取り組んでいます。皆さんには、選手たちがクリスマスなど世の中の楽しいことなどを節制しながらトレーニングしているからこそ、この舞台に立てるということも知ってほしいですね。僕は自転車に乗ってても車にぶつかるかもしれないからとなるべく乗らないなど、普段は気にしないことも気にするほど繊細になっていました」と自分の体験談も交えながら、選手の気持ちを代弁した。 「史上まれにみるハイレベルな戦い」が繰り広げられることが予想される今大会。西田さんは「上位校は力の差はほとんどなく、当日どのくらい本来の力を発揮できるかという、調整力が鍵を握る」と最後に語った。  2014年1月2日午前8時スタート! 翌3日大手町のゴールテープを切るどのチームか!? 【西田隆維氏プロフィール】 ’77年生まれ。タレント、「西田ランニングくらぶ」代表/株式会社オーランド代表取締役社長。’01年エドモントン世界陸上選手権に日本代表として出場。マラソン9位。駒澤大学時代は4年間連続で箱根駅伝に出場。4年時の第76回は復路のエース区間9区にて当時の区間新記録を樹立。その後ヱスビー食品、JALグランドサービスで選手を続け、現在はタレント業もこなしながら、スポーツの発展と社会貢献を目的とした会社を設立し活躍。イベント主催など活動の場を広げている。36歳独身 http://nicchidesu.net/ <取材・文・撮影/NANO編集部> 海外サッカーやメジャーリーグのみならず、自転車やテニス、はたまたマラソン大会まで、国内外のスポーツマーケティングに幅広く精通しているクリエイティブ集団
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