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複雑すぎるメジャーの納税システム…マー君どうする?

前代未聞の7年、約161億円の契約で名門ヤンキースのピンストライプのユニフォームに袖を通すことになったマー君こと田中将大(25歳)。日本一の右腕が異国の地でぶつかる難敵はなにも対戦相手ばかりではない。同僚、マスコミ、ファン、食生活……マー君が名実ともにニューヨークの顔になる“条件”を探った

◆あまりに複雑すぎるメジャーの納税システム

田中将大

MLB日本公式サイトより

「メジャーの給料は4月から9月の半年払い。ペイデイ(給料日)は1日と15日の月に2度で、選手ロッカーに小切手がポンと置かれます」。日本のスポーツエージェントの経理部門で働くS氏は、給与システムを説明する。「東京からタイ・バンコクの距離を陸つなぎにしたのがアメリカ大陸。州ごとの決まりに沿って納税するシステムは本当に複雑極まりないんです。エージェントのサポートに従うのが賢明です」とアドバイスを送る。

 年間162試合の公式戦のうち、81試合をホームで戦うマー君の場合、所得の半分はニューヨークで稼いだものとみなされる。仮にヤンキースがフロリダ州で16試合を戦えば、年俸の10%はフロリダ州での労働の対価とカウントされる。そしてその比率に応じて所得を分割し、所得税は各州の定める税率に応じて納めなければならない。

「シーズンが終わると選手の代理人事務所は、各チームの公式戦を州別にカウントして納税申告の準備に入ります。遅くともクリスマス前には選手ひとりひとりに厚さ1cmほどのファイルを届け、数十箇所にサインをしてもらうんです」(S氏)

 アメリカの税金は大まかに「連邦税」と「州税」に分かれる。連邦税とは国に納める税金なので、どこで暮らしていても払わなければならない税金だが、州税は居住または勤務している州に対して払う所得税だ。

 州の税率が高いのは、ハワイ(11%)、オレゴン(11%)、ニュージャージー(10.75%)、カリフォルニア(9.55%)、ニューヨーク(8.75%)など。ニューヨーク州の場合は州税に加え、マンハッタンなどで暮らすニューヨーク市民には、さらに約4%の市民税も加算されるのだ!

 ちなみにダルビッシュが暮らすテキサス州を含む全米7州は、州税0%という恩恵を受けている。

 巨額の報酬を手にしたマー君も、その半分は税金で持っていかれる。

 やっかいな計算は敏腕代理人に一任して、ピッチングに専念したほうがいいのかも?

取材・文/小島克典 松山ようこ 内野宗治(スポカルラボ) イラスト/岡田航也
― 大手マスコミが書けない マー君がヤンキースで活躍できる条件【8】 ―

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