実用性はないのに「発動機」がひそかにブーム!? 20代、小中学生の愛好家も
「流行は繰り返される」という。確かに我々が幼少期にハヤっていた事象&アイテムが、あるものはかたちを変え、またあるものはそのままのかたちで注目されている。そこで、再ブレイクの仕組みとその魅力を紐解いてみた!
◆何の意味が!? 実用性はないのに再注目された発動機の深~い世界
「発動機がひそかにブーム」らしい。「NPO発動機遺産保存研究会」理事の森下泰伸さんは言う。
「発動機は、大正から昭和30年頃まで農家などで使われていたもの。かつてはエンジンがついた農業機械がなく、脱穀機やポンプにつなげる動力源として『発動機』が国内各地の460社くらいのメーカーで作られていました。ところが、昭和30年代以降、小型ディーゼルが登場し、仕事で使われなくなった発動機は納屋の隅に置かれるなどして、忘れ去られていきました」
そんな発動機にマニアが登場してきたのは昭和60年代頃。当初は河原で5~6人で集まって発動機を動かす「運転会」を行っていたそうだが、平成10年頃からメディアでときどき取り上げられ、愛好家が増えていった。現在では各都道府県に愛好会があり、愛好家の数約2000人という規模に。
なかには20代、小中学生の愛好家も。山梨県發動機愛好会を発足させた会長の佐野亮平さんは24歳。
「カタチと、脈を打つような音、灯油のニオイに惹かれるんです」
もちろん現在は、発動機に実用性はない。完全な「趣味」であり、案外裾野の広い世界なのだ。
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