プロレスのレフェリーは蛍光灯を消すのも仕事!?【後編】

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てっしー手島氏

先日行われた「STYLE-E」のメイン試合を裁くてっしー手島氏(左)

――ちなみに、インディー団体だと試合を裁く以外にもたくさん仕事がありますよね。手島さんはレフェリング以外にはどんなお仕事をされているんですか?

手島 「前説、物販のお手伝い、会場づくり、掃除もしますし、試合後の後片付け、あとは照明ですね」

――めちゃくちゃたくさんありますね!!

手島 「今あげたもののうち、自分が責任者なのは前説、会場づくり、照明ですね。あとはお手伝いというか、一緒に仕事するんですから当たり前なんですけど、当日人手が足りないところをサポートする感じです」

――会場づくりは選手も一緒にやるんですか?

手島 「ええ。他団体の選手の方々も一緒に手伝ってくれるんですが、大きな団体の新人の方々ほど、率先して会場設営を手伝ってくれるんですよ。教育が行きとどいているんだな、と感心してしまいます」

――照明もご担当とのことでしたが、試合中は当然、調光卓に座れませんよね。照明の仕込みの責任者ということですか?

手島 「いや(笑)、これはまさにウチだけというか、照明といっても蛍光灯をつけたり消したりするだけなんですよ(笑)」

――え!?

手島 「『西調布アリーナ』という会場のみでの作業なんですけど、試合が始まる前にパチッと蛍光灯を消して暗転。1人目の選手か入ってきたな、と思ったら照明をつける。で、彼がリングに上がったらまた蛍光灯を消して、2人目の選手が入場。で、蛍光灯をつけて僕もリングインするんですよ(笑)」

――「西調布アリーナ」にはまだ行ったことがないのですが、なんとなく雰囲気はつかめました(笑)。あと、試合中にケガをされたこともあるとか。やはり、レフェリーって危険な仕事なんでしょうか。

手島 「昨年の新木場大会のときですね。たむちん(田村和宏選手)がZERO1-MAXの大谷普次郎選手と対戦したんですが、大谷選手がスパイラルボムという技を仕掛けて、たむちんが3カウントを取られました。そのスパイラルボムに入る前に、前々から僕の持病なんですが、足をぐきっとやってしまい靭帯が伸びちゃったんですよ。おかけでメインを裁けずに悔しい思いをしました。今年は無事にメインを裁けたので、試合が終わった後に『今年は大丈夫だったね』とみんなに声をかけられました」

――ちょ、ちょっと待ってください。えっと、乱闘に巻き込まれたとか、選手にぶつかったとかではなく、いわば自損事故?

手島 「ええ(笑)。ただ、リングって会場により固さが違うんで、いつもと感触が違ったんですよね」

――まあ、でも今年は雪辱を果たされた、と。最後にすいません、一応、「お仕事」がテーマなので、レフェリーのギャラとか教えてもらえるとうれしいんですけど。

手島 「え、ええー!? いや、それはマズいな(笑)。でも、そんなに高くありません。試合を裁く会場によって違いもありますが……これ以上はご勘弁ください!!」

 プロレスというジャンルは、目下のところ非常に厳しい状態におかれている。かつての隆盛もどこへやら、地上波のテレビ放送も全国ネットは新日本プロレスが週1回、深夜に30分枠で放送されているのみ。地方局では各地のローカル団体の放送も行われているが、プロレスというジャンル自体に触れることが激減してしまっている。

 だが、選手はもちろん手島氏のような裏方の人々も一丸となって、「プロレスを盛り上げよう」と頑張っているのだ。かつてプロレスを観ていたという人も、一度もプロレスを観たことのない人も、機会があればぜひ会場に足を運んでほしい。そこには以前と何も変わらない“熱”が存在しているのだから。

【てっしー手島氏】
本業は自主映画のプロデューサーで、11月26日、27日に下北沢映画祭にて制作を務めた作品『こっぴどい猫』(主演/モト冬樹 監督/今泉力哉)が上映される。詳細は下北沢映画祭公式サイト(http://shimokitafilm.com/)にて

【STYLE-Eオフィシャルサイト】
今後の興行などのスケジュールはオフィシャルサイトを参照のこと
http://www.style-e.net/

取材・文/織田曜一郎(本誌)




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